一次変換(読み)いちじへんかん(その他表記)linear transformation

精選版 日本国語大辞典 「一次変換」の意味・読み・例文・類語

いちじ‐へんかん‥ヘンクヮン【一次変換】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① ベクトル空間からベクトル空間へのある種の写像。ベクトル空間Uからベクトル空間Vへの写像fのうち、f(αa+βb)=αf(a)+βf(b) (a、bはUの要素、α、βは実数)をみたすものをUからVへの一次変換という。
  3. ② 複素数に複素数を対応させるある種の写像。z′=(az+b)/(cz+d) という形で表わされるようなもの。

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関連語 丸山 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「一次変換」の意味・わかりやすい解説

一次変換 (いちじへんかん)
linear transformation

直線,平面,空間のように座標が定まっているものの間の写像で,座標について一次式で表されるものを一次変換という。例えば座標X,Y,Zが定まった空間の間の写像fで,点(x,y,z)をf(x,y,z)=(a1x+b1y+c1z,a2x+b2y+c2z,a3x+b3y+c3z)に移すものは一次変換である。この考えは,一般のn次元線形空間Vからm次元線形空間Wへの写像fに拡張される。x1,……,xnをVの基底,y1,……,ymをWの基底とする。Vの元xを(αj:スカラー)と書けば,となり,このときfは一次変換といわれる。各f(xj)はWの元であるから,(αij:スカラー)と書ける。一次変換の性質から,となり,fは(m,n)行列で完全にきまる。Vの元を列ベクトルで表示すれば,変換f(x)は行列の積で表せる。一次変換は無限次元空間でも同じように考えられる。一次変換は線形空間の間の線形写像と実質的に同じであり,一次変換という言葉で線形写像を意味することもある。また,一次分数変換のことを単に一次変換ということもある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一次変換」の意味・わかりやすい解説

1次変換
いちじへんかん
linear transformation

線形写像ともいう。 xy 平面上で,点 (x1,x2) を点 (y1,y2) に移す変換の規則が,1次式 y1=a11x1+a12x2,y2=a21x1+a22x2 ( aij は定数) で与えられるとき,これを (x1,x2) から (y1,y2) への1次変換という。この1次変換を,ベクトル x=(x1,x2) をベクトル y=(y1,y2) へ移す変換であるとみなし,右辺の係数の配列を,行列 A=(aij) で表わせば,この変換は,
すなわち y=Ax と書ける。一般に,ベクトル空間 V1 から V2 への変換 y=f(x) が,V1 の任意の元 x,x' ,およびスカラー λ,λ' に対して f(λx+λ'x')=λf(x)+λ'f(x') を満足するとき,f を V1 から V2 への線形写像といい,特に V1 のそれ自身への線形写像を1次変換と呼ぶ。有限次元の場合,V1,V2 に基底を定めておけば,f は行列を使って y'=Ax という形で表わせる。関数論においては,1次分数式
で表わされる w から z への変換 w=Tz を1次変換ということがある。

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世界大百科事典(旧版)内の一次変換の言及

【座標】より

…簡単な例として,は,原点をxy平面内で点(a,b)に平行移動し,さらにその点のまわりに角度αの回転を行った直交座標系(x′,y′,z′)によってもとの(x,y,z)を表す場合である。一般に旧座標系{xi}が新座標系{xi′}の一次式の場合,すなわち(1)が具体的に,で与えられるような座標変換は一次変換と呼ばれ,行列の記法を用いてx=Ax′+aで示すことができる。ここでA=(aij)はaijを要素とするn行n列の行列,a=(ai)はn次の列ベクトル(n行1列行列)である。…

※「一次変換」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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