日本大百科全書(ニッポニカ) 「デラウェア」の意味・わかりやすい解説
デラウェア
でらうぇあ
Delaware
アメリカ合衆国東部の州。面積5328平方キロメートル。人口78万3600(2000)。デラウェア湾とチェサピーク湾に挟まれたデルマーバ半島の北東部に位置し、北はペンシルベニア州、西部と南部はメリーランド州に接する。州都はドーバーで最大都市はウィルミントン。ロード・アイランド州に次ぎ面積の狭いことと、大部分が海岸平野で土壌の肥沃(ひよく)なためにダイヤモンド州とよばれる。また、最初の連邦加入州のため、ファースト・ステーツの俗称をもつ。気候は温暖・湿潤で、ウィルミントンの年降水量は1020ミリメートル、1月の平均気温は0℃、7月の平均気温は24℃である。土地は低平で、平均海抜高度は18メートル。デラウェア州のおもな産業は農業と工業である。農産物としてはブロイラー、トウモロコシ、大豆、肉牛、酪農製品、野菜の生産が多い。工業は北部の都市に集中し、化学、食品、ゴム、プラスチック、金属加工などが盛んである。1631年オランダの植民者が最初に定住し、38年にはスウェーデンの植民者が砦(とりで)を建設したが、55年にオランダがニュー・スウェーデンを占領し、1664年イギリス領となった。合衆国独立時の13州の一つで、合衆国憲法を最初に批准した州として知られる。南北戦争時には奴隷州にもかかわらず北軍側に属した。州名は、イギリスのバージニア植民地初代総督のデ・ラ・ウェアにちなむ。
[菅野峰明]