DTCP(読み)ディーティーシーピー

デジタル大辞泉 「DTCP」の意味・読み・例文・類語

ディー‐ティー‐シー‐ピー【DTCP】[digital transmission content protection]

digital transmission content protection》デジタル対応のテレビAV機器などの、デジタル家電で使われる著作権保護技術の一つ。IEEE 1394i.LINKFireWireを含む)規格インターフェースを経由するデジタル画像信号などの暗号化に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「DTCP」の意味・わかりやすい解説

DTCP
でぃーてぃーしーぴー

直接接続するケーブルを使った機器間の通信で、DRM(著作権保護技術)によって保護されたコンテンツを伝送するための規格。Digital Transmission Content Protectionの略。DTCP対応機器は、機器接続時に、ライセンス管理をするDTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)発行の証明書により相互認証を行う。DTLAは日立製作所インテルパナソニックソニー東芝が1999年(平成11)に設立した著作権保護方式のライセンス団体である。送受信が可能な場合、暗号鍵(かぎ)を交換し、コンテンツを暗号化して送受信する。

[編集部]

DTCP-IP

DTCPは本来単に1対1で機器を接続して通信を行うことを想定した規格であり、またDRMも各社が独自に実装しており、互換性がない。そこで、各社独自のDRMを変換して家庭内LAN(ラン)のIPネットワーク上で伝送し、さまざまな機器間で相互に著作権保護されたコンテンツを視聴できるようにしたものがDTCP-IPである。これにより、DTCP-IPに対応するテレビ、コンピュータ、スマートフォン、タブレット型端末などの機器で、ブルーレイディスクレコーダーなどの機器に録画したコンテンツを家庭内のどこでも視聴することが可能になる。

[編集部]

DTCP+

DTCP+は「DTCP-IP 1.4」の通称であり、2012年1月にDTLAが策定した、デジタルコンテンツ伝送時の暗号化方式「DTCP-IP」の新バージョンである。

 従来のDTCP-IPは、デジタル放送を家庭内LANに限定した上でストリーミング再生したり、ダビング(ムーブ、コピー)したりするための規格であったため、サーバー側(録画機器)とクライアント側(視聴側の端末)の接続に制限が設けられ、視聴できる範囲は家庭内に限定されていた。これに対し、DTCP+では、サーバーとクライアント間の接続形態に規定はなく、インターネットを経由してクライアント機器を接続できる。これにより、外出先でもスマートフォンやタブレット型端末などによって、録画した放送コンテンツの視聴が可能になった。

 DTCP+をDLNA(異なるメーカーのデジタルデバイスを相互接続するための規格)と組み合わせることで、外出先からのインターネットを経由した地上デジタル放送などの視聴が可能になる。DTCP+を利用するためには、家庭内ネットワークや家庭内LANのほかに対応するテレビ、レコーダー、録画用ハードディスクが必要であり、対応機器が徐々に増えている。

[編集部]

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IT用語がわかる辞典 「DTCP」の解説

ディーティーシーピー【DTCP】

AV機器やパソコンの周辺機器を接続する規格「IEEE(アイトリプルイー)1394」(ソニーの「i.LINK(アイリンク)」、アップルの「FireWire(ファイヤーワイヤー)」など)を使ったネットワーク向けに作られた、デジタルコンテンツの著作権保護方式・技術。IEEE1394で接続された機器同士を相互認証し、データを暗号化してデジタルコンテンツをやりとりする。◇「digital transmission content protection」の頭文字。日立、インテル、松下(現パナソニック)、ソニー、東芝の5社によって策定された。「DTCP-IP」はこの発展型。⇒DTCP-IP

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「DTCP」の解説

DTCP

IEEE1394を用いて接続した機器間で、デジタルデータを暗号化して送受信するための規格。日立製作所、インテル、松下電器産業、ソニー、東芝の5社により共同で開発されたため、5C(Five Company)とも呼ぶ。

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