ケーブル(読み)けーぶる(英語表記)cable

翻訳|cable

デジタル大辞泉 「ケーブル」の意味・読み・例文・類語

ケーブル(cable)

針金や麻をより合わせて作った、太くて強い綱。
絶縁物で覆った電線を束ね、さらに外装して1本にしたもの。電信・電話線などに用いる。電纜でんらん。「地下ケーブル
ケーブルカー」の略。
[類語]電線導線銅線回線配線高圧線架線コードエナメル線ニクロム線

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精選版 日本国語大辞典 「ケーブル」の意味・読み・例文・類語

ケーブル

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cable )
  2. 絶縁体でおおった電線を束ねて、じょうぶな外装をしたもの。電纜(でんらん)
    1. [初出の実例]「『ケーブル』 海底に沈め伝信する器械なり」(出典:万国新聞紙‐初集・慶応三年(1867)正月中旬)
  3. 針金や大麻をより合わせた太い綱。普通周囲一〇インチ(約二五・四センチメートル)以上のものをいう。
    1. [初出の実例]「岡田式と言って、川の岸から岸に渡したケエブルを伝って動く渡船だった」(出典:真少女(1950)〈上林暁〉)
  4. ケーブルカー」の略。
    1. [初出の実例]「ケーブルで早雲山へ登らうと」(出典:古川ロッパ日記‐昭和一五年(1940)八月二三日)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケーブル」の意味・わかりやすい解説

ケーブル(cable)
けーぶる
cable

一般に太い綱や索、ある種の電線などをいう。電気用途に用いるケーブルは、電気を導く金属線という広い意味で電線とよぶこともある。

 しかし、電線とケーブルは、導体に絶縁体を被覆したものを電線(絶縁電線)とよび、その電線の外側もしくは電線を複数本撚(よ)り合わせたものに絶縁体を保護する被覆(シース)を施したものをケーブルとよんで、電気工事などでは敷設場所に応じ使い分けられている。ケーブルには、電力ケーブル通信ケーブル同軸ケーブル海底ケーブル、光ファイバーケーブル、制御ケーブルなどがある。

 なお、ケーブルカーなどに用いられているケーブルは、鋼索すなわちワイヤロープであり、その安全性と耐久力については各国ともほぼ同様な取締規則を施行している。全線継ぎ目のないものを用い、通常、ワイヤロープの安全率(ロープの破断荷重とロープにかかる荷重の最大値の比)は6倍以上である。

[佐久間照夫・大木義路]


ケーブル(George Washington Cable)
けーぶる
George Washington Cable
(1844―1925)

アメリカ小説家ニュー・オーリンズ生まれ。スペインフランスの生活習慣や文化の味をとどめるこの町をこよなく愛した。黒人奴隷にかしずかれた植民地生まれのいわゆる白人クレオール階級を扱った小説『古きクレオール時代』(1879)、『グランデシム家』(1880)は、南部の地方色を豊かに描き出している。また人道主義的立場から『黒人問題』(1890)を執筆した。

[岩瀬悉有]

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改訂新版 世界大百科事典 「ケーブル」の意味・わかりやすい解説

ケーブル
cable

(1)おもに銅,またはアルミニウムの電気良導体(単線,または撚(より)線)上に絶縁物を被覆した絶縁電線の一種である。構造上,慣例上次のように区別される。(a)ケーブル 構造として単心と多心導体が考えられ,かつ絶縁被覆を有するもの(編組を含む)。(b)電線 絶縁被覆の有無に関係なく,構造として単心しか考えられないもの,または多心の場合集合上に絶縁外被のないもの。

 通常,電動機を動かしたりするのに必要な電力の伝送に使用する絶縁被覆および保護外被で保護した電気良導体を電力ケーブルといい,情報伝達のための電気信号の伝送に使用する被覆および外被をもつ電気良導体を通信ケーブルと呼ぶ。実用上,電線では丸線,トロリー線,鋼心アルミ撚線,各種の被覆線などが,電力ケーブルでは紙絶縁電力ケーブル,OFケーブル,架橋ポリエチレンケーブルなどが,また通信ケーブルでは市内紙ケーブル,市外プラスチックケーブル,同軸ケーブル,光ファイバーケーブルなどがおもな呼称といえる。

(2)つり構造物(つり橋など),ロープウェーなどに用いられる長い鋼索。
ワイヤロープ
執筆者:


ケーブル
George Washington Cable
生没年:1844-1925

アメリカの小説家。ルイジアナニューオーリンズに生まれ,南北戦争後,同地の新聞などにスケッチや短編を発表した。代表作は,この地方に住むクレオールの異国風な生活を描いた短編集《回想のクレオール》(1879),19世紀初頭のニューオーリンズを舞台に,そこの名門同士の確執と和解,愛憎にみちた恋愛をロマンティックに描いた長編《グランディシーム家の人びと》(1880)など。南部ルイジアナ州を代表する〈地方色(ローカル・カラー)〉文学の小説家の一人であるが,人種問題では,南部白人社会を批判したため,南部にとどまることができず,1884年以降,北部マサチューセッツ州に定住し,黒人問題のみならず,さまざまな社会改革運動に力を注いだ。その方面の著作としては,《沈黙の南部》(1885),《黒人問題》(1890)などが知られている。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ケーブル」の意味・わかりやすい解説

ケーブル

ケーブルカーなどのワイヤロープもいうが,一般には互いに絶縁した電線をひとまとめにして被覆した電纜(でんらん)をいう。電力または通信の長距離伝送に使用され,金属,ゴム,プラスチック等で耐久性のある外装が施されている。電力ケーブルの導体には曲げやすさを増すよう細い導体を撚り合わせたものを使用,絶縁劣化を防止するため,絶縁油をケーブル中に充満したり,油圧やガス圧を加えたりする。→通信ケーブル
→関連項目電線ワイヤロープ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケーブル」の意味・わかりやすい解説

ケーブル
cable

(1) 大綱,鋼索,電線などの総称。 (2) 被覆電線。電気絶縁物でおおった電線を集めて,その上に種々の外装を施し,電気的にも化学的にも外界から遮断したもので,電力用ケーブルと通信用ケーブルに大別される。前者は電力輸送用の地中送電ケーブルで,ベルトケーブル,使用電圧 10~30kV用のHケーブル,SLケーブル,低ガス圧ケーブルと,特別高圧 (約 7kV) ,超高圧 (100~500kV) 用の油入り OFケーブルなどがある。最近はブチルゴム絶縁ケーブルなども利用されている。後者は電気通信用として局内および局間に使用されるもので,架空,地下,海底用ケーブルがあり,種類としては,平衡型ケーブル (局内用,市内,市外用) と同軸ケーブル (長距離用,海底ケーブル用) のほか,最近は光通信用の光ファイバケーブルが開発使用されている。

ケーブル
Cable, George Washington

[生]1844.10.12. ニューオーリンズ
[没]1925.1.31. フロリダ,セントピーターズバーグ
アメリカの小説家。いわゆるクリオール (ルイジアナのフランス系住民) の生活を描いた短編集『クリオール回顧』 Old Creole Days (1879) をはじめ十数冊の地方色豊かな長編,短編集がある。また,刑務所内の悲惨な実情に触れた小説『ドクター・セビア』 Dr. Sevier (84) ,しいたげられた黒人の権利を擁護した評論集『沈黙の南部』 The Silent South (85) などには,社会改良家としての側面がうかがわれる。

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FX用語集 「ケーブル」の解説

ケーブル

英国ポンド(ブリティッシュ・ポンド/GBP)のこと。まだ為替市場が全世界連動でなく、ロンドン市場とニューヨーク市場がそれぞれ全く異なった値動きをしていた時代に、大西洋の海底ケーブル経由の電話回線を利用して、両市場間で「アービトラージ(裁定取引)」が頻繁に行なわれていたことからこのニックネームが定着した…という説がありますが、実際のところその語源については定かではありません。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ケーブル」の解説

ケーブル

1本の電線、または複数の電線の束を、ビニールなどの絶縁体で覆ったもの。パソコンと周辺機器の接続などに用いる。ケーブルの構造やコネクタの形状は用途によって異なる。

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パソコンで困ったときに開く本 「ケーブル」の解説

ケーブル

パソコンと周辺機器を接続したり、それぞれの機器を電源につなぐのに使うコードのことです。
⇨USB、コネクタ

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世界大百科事典(旧版)内のケーブルの言及

【ワイヤロープ】より

…鋼索という場合,ワイヤロープを指すことが多い。ただし長い鋼索がつり橋などのつり構造物の主部材や,ケーブルカー,ロープウェーなどに用いられるときケーブルcableと呼ばれるが,これには撚り合わせてつくったロープケーブルのほかに,ワイヤを撚らずに平行に束ねた平行線ストランドを用いる平行線ケーブルもある。いずれにせよ,ケーブルは引張力しか受けもてない部材として扱われる。…

【つり橋】より

…空間に張り渡したケーブルに沿って橋床をつるした橋。おそらく原始人類が自然のツタなどを用いて川を渡ったのがつり橋の起源と考えられ,しだいにこれにくふうが加えられていったのであろう。…

【ワイヤロープ】より

…鋼索という場合,ワイヤロープを指すことが多い。ただし長い鋼索がつり橋などのつり構造物の主部材や,ケーブルカー,ロープウェーなどに用いられるときケーブルcableと呼ばれるが,これには撚り合わせてつくったロープケーブルのほかに,ワイヤを撚らずに平行に束ねた平行線ストランドを用いる平行線ケーブルもある。いずれにせよ,ケーブルは引張力しか受けもてない部材として扱われる。…

※「ケーブル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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