オーディオ信号をデジタル化する方式の一つ。動画像信号のデジタル化で国際的に広く使われるMPEG(Moving Picture Experts Group、エムペグと読む)方式の音声部分の圧縮規格、オーディオレイヤー3(MPEG1 Audio Layer3)の略称である。オーディオ信号のデータ圧縮方式として優れており、圧縮率が高く、高品質なため、広く普及し始めた。人間の聴感特性を巧みに利用したデータ圧縮方式であり、CDのように、アナログのオーディオ信号を忠実にデジタル化した場合に比べると、そのほぼ10分の1程度のデータ量に圧縮でき、しかも聴感上の品質はCDに匹敵するとされている。そのため、長時間の音楽などをフラッシュメモリーなどの固体メモリーに記録できるので、LPレコードやCD、MDにつきものだった可動機構をまったく必要としない録音再生機の製作が可能で、小型化、可搬化にとくに優れている。一方、CDなどの音楽情報をMP3データに変えるソフトウェアがインターネット上にあり、だれもが簡単にこのデータ圧縮方式を利用できる。その反面、音楽情報がネットワークにのって容易にコピーできるため、著作権などの問題を引き起こしやすい状況にある。
[田村浩一郎]
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