NCR(読み)エヌシーアール(英語表記)NCR Corporation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

NCR
エヌシーアール
NCR Corporation

アメリカ合衆国の情報処理機器メーカー。1884年「近代的セールスマンシップの父」と呼ばれるジョン・ヘンリー・パターソン金銭登録機メーカーのナショナル・マニュファクチュアリングを買収し,ナショナル・キャッシュ・レジスタを設立。セールスマンの育成やアフターサービスの導入により,小売業の近代化に指導的役割を演じた。その後は会計機やコンピュータ,現金自動支払機 CD,POSシステムなど新製品の開発に力を注ぎ,1974年略称であった NCRを正式社名に変更。1991年アメリカン・テレフォン・アンド・テレグラフ(→AT&T)に買収され,1994年 AT&Tグローバル・インフォメーション・ソリューションズに改称。1996年 AT&Tの事業再編に伴い再び NCRに社名変更し,翌 1997年 AT&Tから独立した。その後はソフトウェア会社などの買収により,ビジネスソリューションを総合的に扱う企業へと発展。現金自動預入支払機 ATM,バーコード・スキャナ(→バーコード),各種コンピュータ,事務用品などの製造・販売のほか,企業の ITシステムの設計・導入などの事業を展開する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

NCR
えぬしーあーる
NCR Corp.

アメリカのデータ処理機器メーカー。世界最大のキャッシュレジスター(金銭登録機)メーカーとして成長を遂げた。1970年代以降はコンピュータ化に伴い、レジスターのみならずさまざまなデータ処理機器を設計、開発、販売する。おもな事業部門はPOS(ポス)ターミナルなどを扱う流通システム部門、現金自動支払機などを扱う金融システム部門、ハードウェア、ソフトウェアを統合したコンピュータシステム部門などである。
 同社の発祥は、1884年に創業者ジョン・ヘンリー・パターソンJohn Henry Patterson(1844―1922)がオハイオ州デイトンに設立したナショナル・キャッシュ・レジスターNational Cash Register Co.である。1974年に略称のNCRを正式社名とした。1912年にはアメリカの金銭登録機市場の90%を獲得し、「ザ・キャッシュ」と通称されるまでになった。また、のちにCTR(現、IBM)の社長に就任したトーマス・J・ワトソンが1895年から同社で働いていたのは、有名なエピソードである(ワトソンは1913年、NCRの独禁法有罪判決に連座し同社を去った)。1970年に世界初のPOSターミナル、翌年には電子レジスター、オンライン現金自動支払機を発表し、その後は業務の中心をコンピュータ部門に移していった。
 1990年代の同社製品の中心は商業用コンピュータシステムにあり、企業のビジネスシステムの変革に伴い成長してきた会社である。1991年にAT&Tと合併してコンピュータ事業を担うビジネスユニットとして吸収されたが、1997年にはふたたび分離独立した。2008年の売上高は53億1500万ドル、純利益は2億2800万ドル。日本では、1920年(大正9)に日本金銭登録機(現、日本NCR)が設立された。日本法人の2008年(平成20)の売上高は359億7100万円。[萩原伸次郎]
『栗田昭平著『消費者主権時代のコンピューティング――NCRのスケーラブル・データ・ウェアハウス』(1998・コンピュータ・エージ社)』

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