OTF(読み)オーティーエフ

デジタル大辞泉 「OTF」の意味・読み・例文・類語

オー‐ティー‐エフ【OTF】[optical transfer function]

optical transfer function》白から黒へ連続して濃度が変わる正弦波チャートレンズで結像した場合の、ある空間周波数(像面上で1ミリ当たりの白黒パターンの本数)におけるコントラストの減少率と位相ずれ(像のずれ)を表す。レスポンス関数

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改訂新版 世界大百科事典 「OTF」の意味・わかりやすい解説

OTF (オーティーエフ)

optical transfer functionの略。レンズや写真感光材料などの光学系の性能を表す量の一つ。以前は細かさが段階的に変化する等間隔条線を物体として用い,その像がどの細かさのものまで条線として解像できるかで性能を表示していた。しかし,この方法では条線の間隔が細かくなるにつれ,解像力が低下していくようすが表現できない。OTFはいわば新しい解像力表示方法で,電気回路周波数応答に相当するものである。周波数は,電気回路では1秒当りの振動周期の数(Hz)で表されるが,画像を対象とする光学系では1mm当りの周期の数(本/mm,lines/mm)で表し,空間周波数と呼ぶ。明暗が正弦波状のチャートの光学系によって作られる像は,一般に元のチャートより明暗の対比,すなわちコントラストが低下し,また場合によっては像の横ずれが生ずる。すなわち位相も変化する。この場合のコントラストおよび位相の変化を空間周波数(正弦波状のチャートの周波数)の関数として表示したのがOTFで,とくに前者MTF(modulation transfer functionの略),後者PTF(phase transfer functionの略)と区別する。日本では一時期,用語としてレスポンス関数が用いられたが,現在では国際的にOTFに統一されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のOTFの言及

【分解能】より

…水平解像度は同様にして縞を垂直に並べた場合である。
[OTF]
 以上に挙げたように,光学系の結像性能については,測定対象により異なる評価法が行われているが,それらを統一的に取り扱うにはOTF(optical transfer functionの略。光学伝達関数)が便利である。…

※「OTF」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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