precision approach path indicatorの略称で、精密進入経路指示灯のこと。着陸しようとする航空機に、滑走路末端に至るまでの正確な進入角を示す灯器である。従来のVASIS(バシス)(進入角指示灯)にかわり、現在世界各地で全面的に採用されている進入援助用航空灯火である。1983年に国際民間航空機関(ICAO(イカオ))の国際標準となった。PAPIは通常接地地点付近で滑走路の左側に1か所設置され、0.05度以下のシャープな色の転移層を有する。灯器は横一列に4灯配置されていて、それぞれ赤と白の光を発している。適正な進入角においては、外側の2個が白、内側2個が赤となる。適正な進入角の幅は、ILS(計器着陸装置)が設置されていない場合は0.33度、ILSが設置されている場合はILSとPAPIを調和させるため、0.5度となるよう設置されている。進入中の航空機からPAPIの灯光を見ると、正常な降下経路にあるときは赤と白の灯火が二つずつ見え、上方に偏位すると白が、下方に偏位すると赤がそれぞれ3個以上見える。なお、PAPIの簡易型としてA‐PAPIがある。
[青木享起・仲村宸一郎]
VASISは、1961年10月ICAOの国際標準方式として導入され、以後広く各国の空港で運用されてきた。しかし、運航方式の発達に伴い、いろいろと不備な点が指摘されるようになった。そこで精密進入着陸援助施設の必要性が高まり、英国王立航空機研究所によってPAPIが開発された。当時、PAPIが将来の方式として採用されるためには、VASISよりも優れているという多数のパイロットの意見が必要なことから、いくつかの空港で運用テストが実施され、この結果航空会社の大多数のパイロットからVASISより優れているという評価が得られた。PAPIはシステム構成灯数が少ないため、設置費用が安価、簡潔で直感性に優れた装置である。こうした状況に基づき、1983年3月PAPIはICAOの第14付属書に正式に規定され、ICAOの標準方式として採用された。一方VASISは、平均耐用年数を考慮し1985年1月以降は設置しない方がよいとされ、1995年1月1日をもってICAO標準の進入角指示灯から削除。日本においても、1983年(昭和58)以降各空港において、順次VASISからPAPIへの変更が行われたが、かならずしも一斉に行われたわけでなく、VASISの耐用年数との関係で進められたものと思われる。
[青木享起・仲村宸一郎]
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