出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
微粒子状抗原とこれに対する抗体との反応によって抗原が凝集する現象.本質的には沈降反応に等しい.たとえば,細菌浮遊液とそれに対する免疫血清とを混合放置した場合,あるいは細菌,赤血球,カオリンなどに可溶性抗原を吸着させたものとその抗原に対する抗体とを混合した場合,それらの粒子はしだいに集合して顆粒状となり,最後には大きな凝集塊となる.凝集反応は沈降反応より鋭敏であることから,微量の抗体の検出法として用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…タンパク質,ウイルス,細菌その他,天然の抗原には一般に抗原決定基が複数存在し,抗体分子にも結合部位が2個(IgM抗体は10個)あるので,抗原・抗体複合体はふつう,抗原と抗体の多分子集合体である。そのため,可溶性の抗原でも抗体と複合体をつくることによって沈殿し(沈降反応という),あるいは細菌,赤血球などの浮遊物が凝集する現象(凝集反応)がみられる。抗原・抗体複合体中では,数多くの抗体分子が抗原との結合によって集合しており,このような複合体が細胞を刺激するのは,標的となる細胞の細胞膜表面にFcレセプターとよばれる受容体が多数存在し,複合体中の複数の抗体分子のFc部分が複数の受容体と多点結合をして受容体を架橋するためである。…
…
[新しい概念の確立]
こうして,免疫の重要な二つの側面,抗体による体液性免疫と細胞が直接働く細胞性免疫についての研究が進展し,それぞれについて重要な発見が相次いだ。抗体については,それが抗原と特異的に反応できるタンパク質で,しばしば血清中の他の一連の酵素系(補体)を活性化して,さまざまな生体内反応を起こすこと,試験管内では抗原と結合して沈殿を起こしたり(沈降反応),もし抗原が粒子状抗原であればそれの凝集を起こしたりする(凝集反応),いわゆる〈抗原抗体反応〉を起こすことがわかった。補体を活性化すれば,抗原の溶解や破壊,白血球による貪食を誘導する。…
※「凝集反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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