知恵蔵 「DASH村」の解説
DASH村
市や町を作るには人口の基準や公民館を置くなどの条件が必要になるが、村は人口の規定がない。そこで番組では土地探しを行い、月3万円で借りられる土地2カ所を村の候補地として見つけ、インターネットで投票を行った。その結果、TOKIOのメンバーの1人、城島茂(リーダー)が見つけてきた土地(約3万9600平方メートル)に「DASH村」を置くことが決定した。
「DASH村」と名付けられた村で、TOKIOのメンバーが古民家を改築したり、土地を耕して米や野菜など農作物作りに挑戦したりする姿が放映された。大工や左官、炭焼きなど近隣の住民も村作りに協力。また、番組のADなどスタッフが村人となって、TOKIOが不在の時も農作業や家畜の飼育などを行った。村長にはアヒルの人形である「アヒル隊長」が就任し、副村長は城島茂など。
DASH村では「八木橋(やぎはし)」と命名されたヤギや、犬の「北登(ほくと)」やアイガモなどが飼育された。和紙作りや陶器作り、五右衛門風呂を作って入浴するなど、自然の中での暮らしぶりが紹介された。だが当初の目的であった「日本の地図にDASH村の文字を載せることは実現しなかった。
DASH村に視聴者が殺到しないよう、番組では所在地を伏せていた。しかし、11年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震で、村は福島県浪江町であることが公表された。福島第一原子力発電所から10キロメートルに位置し、警戒区域に指定されている(2011年5月現在)。番組のホームページには、3月15日付けで『DASH村からのお知らせ』として、地震発生直後に村での作業を中止したこと、出演者やスタッフが無事であること、そして震災以降は安全のためにすべての作業と撮影を中止していることが掲載されている。
(金廻寿美子 フリーライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報