1995年の阪神大震災で、初動医療体制の遅れから「避けられた災害死」が約500人に上った可能性があるとされた教訓から、2005年に発足した災害派遣医療チーム。「Disaster Medical Assistance Team」の頭文字を取った。専門的な訓練を受けた医師と看護師、事務職員が計4人で1チームとなるのが基本。隊員登録は23年4月時点で、全国の医療従事者約1万6600人。
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災害急性期(おおむね発災後48時間以内)に活動できる機動性をもつ、専門的な訓練を受けた災害派遣医療チーム。英語表記Disaster Medical Assistance Teamの頭文字をとってDMATとよばれる。被災地での広域医療搬送、病院支援、域内搬送、現場活動などをおもな活動とする。
従来、医療救護班は避難所の仮設診療所などでの医療活動を行ってきたが、救命医療としては十分ではなかった。災害急性期に専門的な訓練を受けた医療チームが災害現場に出向き、現場での緊急治療や病院支援などを行うことができれば、死亡や後遺症の減少につながると考えられることから、こうした活動を担うために厚生労働省が発足させたのが日本DMATである。日本DMATの養成は、2005年(平成17)から災害医療センター等の「日本DMAT隊員養成研修」で実施されており、この研修を修了し厚生労働省に登録された者(医師、看護師等)がDMAT登録者となる。DMATの活動は、被災地の都道府県が他の都道府県、厚生労働省等にDMATの派遣の要請することにより行われる。都道府県は厚生労働省と連携し、管内のDMAT指定医療機関等へDMATの派遣を要請、DMAT指定医療機関は、その機関に所属しているDMAT登録者に派遣を要請し、派遣されたDMATが医療活動を行うこととなっている。なお、東京都が設置する東京DMAT(2004年発足)など、自治体等が設置するDMATもある。
[編集部]
『石原晋・益子邦洋監修、大友康裕編『多数傷病者対応』(2007・永井書店)』
(2014-8-26)
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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