日本大百科全書(ニッポニカ) 「DSP」の意味・わかりやすい解説
DSP
でぃーえすぴー
デジタル・シグナル・プロセッサーDigital Signal Processorの略。オーディオやビデオ、計測値などの時系列データの処理専用につくられた1チップ・マイクロプロセッサーをいう。従来のアナログ処理では困難な機能を、デジタル化によって実時間で処理するもので、積和論理回路などのハードウェアにより、汎用(はんよう)のマイクロプロセッサーよりはるかに高速でデジタル化、特定の信号を通過させるフィルタリング、データの圧縮・伸長などの信号処理を行う。4ミリワットの低電力で100メガヘルツの高速のものが開発され、パソコン用の周辺装置やアプリケーション開発ツールも充実してきている。DSPはマルチメディア・パソコン、留守番電話、携帯電話、デジタルAV機器、高速モデム、ハードディスク装置、コピー機、カラオケ機器などに広く使用されている。
[岩田倫典]