フランスの右派系労働組合中央組織。労働総同盟・労働者の力Confédération Générale du Travail-Force Ouvrièreの略称。CGT-FOともいう。フランス労働総同盟(略称CGT(セージェーテー))を脱退したジュオーらの勢力により1948年4月に結成された。公務員(自治体、病院など)に影響力をもつ。組合と政党の役職兼務の禁止、政党からの独立という、1936年の統一以前のCGTの原則に忠実であり、選挙では組合員に投票指令を出さない。そのため、多数派の社会主義者と少数派のドゴール主義者、アナキスト、トロツキストとの共存が続いた。もともとCGTに対抗する方針を採用し、ストライキを行わず、経営者団体との交渉を選択し、1968年5月以降は政府の提唱する「進歩の契約」政策を受け入れてきた。だが、1989年に就任した書記長ブロンデルMarc Blondel(1938― )のもとで政府の賃金抑制政策を厳しく批判し、1991年には14年ぶりに24時間ゼネスト(ゼネラル・ストライキ)を各組合に呼びかけるなど、要求闘争の強化を主張する異議申し立ての路線を明確にし、CGTとの提携に向かった。2004年2月にブロンデルからメリJean-Claude Mailly(1953― )に書記長が交代した。労働裁判所裁判官選挙(10人以上雇用する企業で実施)での投票率をみると、1990年代には20%を確保していたが、2000年代には20%を割り、低下傾向にある。組合員数は、推定30万人(2006)。
[佐伯哲朗]
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…やがて第2次大戦下のレジスタンスを通じて,共産党の影響力が急速に高まり,戦後は〈伝導ベルト〉体制が確立した。47年,これに不満をもつ改良派が今度は少数派となり,脱退して〈労働者の力派(CGT‐FO)〉をつくることになる。【長部 重康】。…
…労働総同盟・労働者の力Confédération générale du travail‐Force ouvrièreの略称。ただしConfédérationは〈連合〉と訳すのが適当である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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