パスワード(読み)ぱすわーど(英語表記)password

翻訳|password

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パスワード」の意味・わかりやすい解説

パスワード
ぱすわーど
password

コンピュータを使用する際に、ファイルなどの情報にアクセスする権限に条件をつけたとき、その条件にかなうかどうかを判定するためにはアクセスする人間をなんらかの方法で同定する必要がある。音声指紋など個人の生物学的属性(バイオメトリックス)による方法もその一つであるが、それはシステムが複雑になり、面倒な場合が多い。そこで本人しか知らないと想定される、ある特定文字列などの情報を使う方法がある。この特定情報をパスワード(合いことば、暗証番号)という。パスワードは他人に容易に見破られないよう、意味のない文字や数字の列を使うべきであるが、そうすると忘れやすい。といってメモなどに記しておくと、他人に見られてしまうおそれがある。パスワードにかわるものとして電子署名がある。これは公開鍵暗号方式を利用するもので、秘密鍵(ある大きな数)を使う。送信者は自分の名を含むメッセージを、秘密鍵を使って暗号化し、送信する。受信者は送信者の公開鍵(これもある大きな数)で復号化し、これによってもとのメッセージを得るとともに、発信者を同定することになる。この方式では所持する秘密鍵がパスワードのかわりをすることになるが、100桁以上の大きな数であるから、機械に記憶させて使うことになる。ただし、これを紛失、あるいは盗まれた場合は、当然ながら無効になる。

[田村浩一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パスワード」の意味・わかりやすい解説

パスワード
password

コンピュータ・システムにおいてファイルの機密を保護するためユーザーに与えられる暗号。当該ユーザー以外には秘密にされる。銀行などの現金自動預入支払機 ATMで使われる暗証番号もパスワードの一種である。システムへの接続時にパスワードを入力することによって,初めてその先の処理を行なうことができるようになっている。パスワードが第三者に漏れると,ファイル内の情報が漏れたり,ユーザーに不利益な処理が行なわれたりする危険がある。したがって,昨今のシステムでは,ユーザーIDという別の番号とパスワードの 2種類を用意し,この両方がともに正しくないとシステムに入れないようにしてセキュリティを高めている。

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