IrDA(読み)あいあーるでぃーえー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「IrDA」の意味・わかりやすい解説

IrDA
あいあーるでぃーえー

パソコン、プリンターなどの情報機器からデジタルカメラ、コンパクトディスク(CD)プレーヤーなどの情報家電の相互間で、接続ケーブルのかわりに赤外線の光を用いて通信する方式。3レベルの目的に応じた変調方式とデータ転送速度が規定されている。名称の由来は、各社独自の仕様で利用されていたものを標準規格に統一した世界約160企業加盟の赤外線通信協会(Infrared Data Association)の略称から。IrDAを用いると、デジタルカメラからの直接記録装置へのデータ転送、携帯電話からのパソコン通信などが可能となる。

 規格プロトコル)はヒューレット・パッカード(HP)、IBMマイクロソフトシャープを中心に策定された。1対1で通信を行う規格はIrDA DATAという。1994年策定のIrDA DATA1.0のデータ転送速度は2.4~115.2キロビット毎秒(kbps)、通信距離は1メートルで、通信速度の違いにより、IrDA1.1~1.4の規格も策定されている。複数台の機器と通信を行うための規格はIrDA Controlといい、1998年策定されたものは最大8個の入力機器と通信が可能で、転送速度は最大75kbps、通信距離は8メートルである。IrDAはパッケージ化されて利用されたが、1998年により高速・遠距離で通信可能なBluetooth(ブルートゥース)が登場したことにより用途のすみ分けが進み、以降、携帯電話機や携帯ゲーム機などの小型機に利用されている。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例