知恵蔵 「PND」の解説
PND
従来のカーナビは、GPSの精度を高めるために外部アンテナを利用していた他、地図データをCDやDVDから読み込むことが多かったため、ボディが大型にならざるを得なかった。だが、高性能な半導体を使い、演算によって位置測位精度を補正することが可能になったこと、そして、大容量のフラッシュメモリーの採用により、CDやDVD、ハードディスクを使わなくても大容量の地図データを保持しておくことが可能になったことから、手の平大の機器でも、精度の高いナビゲーションが可能となった。
小さくなったため、車から取り外し、持ち歩きながら使えるようになったことから、「カーナビ」でなく、「パーソナル・ナビゲーション・デバイス」と呼ばれるようになった。とはいえ、この名称は主に海外市場で使われているもので、日本では「ポータブル・カーナビ」などと呼ばれることも多い。
車の中以外でも使えること、取り付け・取り外しが簡単なことがメリットだが、その小ささゆえ、地図の表示画面は4インチから5インチ程度と小さめ。自動車運転中のナビゲーションは、音声を中心としたものと考えた方が良い。また、精度が上がっているとはいえ、外部アンテナを使うナビゲーション・システムに比べると、誤差は大きくなる傾向にある。
(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2009年)
PND
(斎藤幾郎 ライター / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報