TACAN(読み)たかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「TACAN」の意味・わかりやすい解説

TACAN
たかん

tactical air navigation systemの略称。航行中の航空機に、地上局からの方位と距離の情報を提供する無線航法援助施設。戦術航法システム、極超短波全方向方位距離測定装置ともいう。このシステムは軍事用に開発されたもので、電波はUHF帯の周波数を使用しており、パルス方式で送信する。TACAN受信機を搭載していない民間機では、このシステムによって方位情報を得ることはできないが、距離情報は、機能がほとんど共通であるDME(距離測定装置)によって得ることができる。民間機では方位情報はVOR(超短波全方向式無線標識施設)で得られるので、現在ではVOR局とTACAN局を併設した民間用と軍用どちらにも使用できる施設が多くなっており、両者を併設した施設をVORTAC(ボルタック)といっている。VORTACの有効範囲は40海里(マイル)(約72キロメートル)で、航空路の要所に地上局が設置されている。

[青木享起・仲村宸一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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