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制空権 せいくうけんcommand of the air; air supremacy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

制空権
せいくうけん
command of the air; air supremacy

ある空域で敵に妨害されることなく,自由な作戦行動を可能とすること。軍事用語。広大な空域を完全に制圧することは困難なので,航空優勢という言葉も使われる。

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デジタル大辞泉の解説

せいくう‐けん【制空権】

戦時または非常の事態に際して、主に航空兵力によって一定範囲の空域を支配する権力

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百科事典マイペディアの解説

制空権【せいくうけん】

戦時における交戦区域全部または一部の空中の軍事的支配権。その確立により敵航空機の自由な行動が不可能になり,味方航空機の行動の自由が保障される。第2次大戦以後は,航空機の発達で制空権の獲得が,陸上・海上戦闘の優位の前提となってきた。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいくうけん【制空権】

第1次世界大戦の教訓は航空戦力(軍事航空力)が戦勝に大きく貢献しうることを認識させた点にある。1920年代初頭,イタリアのG.ドゥエは《制空論》を著し,その中で敵の軍事,工業,政治の中心地を爆撃することにより戦争を早期に勝利に導くことができると主張した。そしてこのためには,自軍の航空戦力は自由に威力を発揮でき,かつ敵の航空戦力の威力発揮を封殺する必要があるとし,戦略攻撃力と防空力の強化を提唱した。ここに制海権と対応し1909年のドゥエ論文にその萌芽をみる制空権の概念が実体的に確立されたが,それはあくまで戦時に関するものであった。

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大辞林 第三版の解説

せいくうけん【制空権】

主として航空兵力によって、一定範囲の空中を支配する権力。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

制空権
せいくうけん

一定の空域で、空中を支配・管制する能力のことで、敵の航空戦力を上回る大きな戦闘効力をもった状態を航空優勢の確保という。航空優勢air superiorityは、味方の航空機が自由に行動できる状態のことで、制空権の確保と同じ意味である。また似た言葉では、航空環境の支配control of the airがあるが、これは航空優勢が「状態」を示すのに対し、空域を管理するなどの「能力」的な意味合いも含んでいる。
 航空優勢の獲得には通常は戦闘機が使われ、担当空域の哨戒(しょうかい)、味方部隊の空からの防護を行う。こうして制圧した空域での優勢を、一定時間にわたって維持したり、あるいは拡張することを制空戦闘という。航空優勢を確保することは、敵に対して航空作戦を遂行するための行動の自由を確保し、維持することになる。現代の戦闘では、陸戦や海戦であっても、航空戦力によって敵を圧倒することが作戦遂行の基盤になっており、航空優勢を獲得していなければ勝利は困難になった。ただ、ゲリラ戦などの不正規戦では、航空優勢の価値も限定的なものとなり、航空戦力で相手よりも劣勢が明らかな場合には、不正規戦の形がとられる。また、航空優勢を確保する場合でも、どれだけ損害を減らし、かつ効果的に作戦を進められるかが、航空優勢の主要課題として考えられている。[青木謙知]

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