諒闇（読み）リョウアン

デジタル大辞泉

りょう‐あん〔リヤウ‐〕【^×諒^▽闇／^×諒^▽陰／^×亮^▽陰】

《「諒」はまこと、「闇」は謹慎の意、「陰」はもだすと訓じ、沈黙を守る意》天皇が、その父母の死にあたり喪に服する期間。また、天皇・太皇太后・皇太后の死にあたり喪に服する期間。ろうあん。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

りょう‐あんリャウ‥【諒闇・諒陰・亮陰】

1. 〘 名詞 〙 ( 「諒」はまこと、「闇」は謹慎の意、「陰」は「もだす」と訓じ、沈黙を守る意。一説に、「梁闇」の二字と同じで、むねとする木に草をかけたもので、喪中に住む小屋の意 )
2. ① 天皇の服する喪のうち、もっとも重いもの。期間一年。本来天皇の父母に対して行なわれるものであるが、その他に対して行なわれる例も多い。臣下にも素服を与えて服喪させるが、その期間は一定していない。ろうあん。りょういん。
   1. [初出の実例]「廃朝、以_二諒闇_一故也」(出典：続日本紀‐天平勝宝七年（755）正月辛酉)
   2. [その他の文献]〔論語‐憲問〕
3. ② 「りょうあん（諒闇）の服」の略。
   1. [初出の実例]「万はてぬれば廿五日世中の諒闇ぬぎあはる」(出典：讚岐典侍（1108頃）下)
4. ③ ひじょうに暗いこと。
   1. [初出の実例]「大神、岩戸を閉ぢさせ給て、世海、国土、常闇となて、りゃうあんなりしに、思はずに明白となる切心は」(出典：拾玉得花（1428）)

ろう‐あんラウ‥【諒闇】

1. 〘 名詞 〙 ＝りょうあん（諒闇）①
   1. [初出の実例]「らうあむ池のほとりの花をみてよめる」(出典：本阿彌切古今（905‐914）哀傷)

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【諒闇】りようあん

諒陰。

字通「諒」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の諒闇の言及

【皇室服喪令】より

…同令は総則，大喪，宮中喪，喪期区分の4章33条より成る。すなわち天皇が大行天皇(没後追号以前の尊称)，太皇太后，皇太后，皇后の喪に当たるのを大喪（たいそう）といい，とくに大行天皇，皇太后および生母たる太皇太后の大喪を諒闇（りようあん）(期間1年)とし，大喪以外の天皇の服喪を宮中喪とする。大喪には全国民が喪に服し，宮中喪には皇族および宮内官吏が服喪する。…

※「諒闇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」