アポモルヒネ

化学辞典 第2版 「アポモルヒネ」の解説

アポモルヒネ
アポモルヒネ
apomorphine

C17H17NO2(267.33).モルヒネ塩酸または硫酸で脱水すると得られるアポルフィン形化合物.アポモルヒネ自身は,天然物ではないが,この骨格を有する数多くの天然アルカロイドの一群を形成している.無色の柱状晶.分解点195 ℃.pKa1 7.0,pKa2 8.92.λmax 336,399 nm(エタノール),空気中ですみやかに酸化されて緑色に呈色する.エタノール,アセトンクロロホルムに可溶,水,ベンゼンエーテル石油エーテルに難溶.催吐作用を有し,催吐剤去痰剤として用いられる.LD50 80 mg/kg(イヌ,静脈内).[CAS 58-00-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アポモルヒネ」の意味・わかりやすい解説

アポモルヒネ
apomorphine

モルヒネから水1分子を除いて合成される薬品。モルヒネのような鎮痛作用はほとんどなく,催吐作用が非常に強い。普通体重 1kgあたり 0.1mgの皮下注射嘔吐を起すので,毒物を飲んだ人の胃内容を吐き出させるのに使用される。注射薬としては,アポモルフィン塩酸塩の形で水溶性となっており,皮下注射後2~3分で嘔吐が起る。

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