ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルリヒ」の意味・わかりやすい解説
ウルリヒ[シュトラスブルク]
Ulrich von Strassburg
[没]1278頃
ドイツのスコラ哲学者,神学者。エンゲルベルト Engelbertともいう。ドミニコ会士。トマス・アクィナスとともにアルベルツス・マグヌスの弟子。アリストテレスやロンバルドゥスの著作の注解を著わしたらしいが現在は散逸しており,『善についての大全』 Summa de bono (1262~72) 全8巻中の第1巻と断片のみが残っている。その思想はアウグスチヌス的,新プラトン的で,偽ディオニュシオスの著書やアビセンナらの影響が強い。ウルリヒは人間は究極因たる神を知るための知的存在にすぎず,完徳は神にのみ属するもので,被造物たる人間には到達しえないのであり,信仰においてのみ神に近づきうると考えた。
ウルリヒ
Ulrich
[没]1550.11.6. テュービンゲン
ウュルテンベルク公 (在位 1503~19,34~50) 。赤字財政打開のための課税で農民反乱 (→貧しいコンラートの一揆 ) を引起し,14年上層市民の特権を認めたテュービンゲン協約を締結。悪政のためシュワーベン同盟諸侯により国土を追われ,34年フィリップ・フォン・ヘッセンの援助で公に復位したのち,宗教改革を行なった。
ウルリヒ[アウクスブルク]
Ulrich von Augsburg
[没]973.7.4. アウクスブルク
教皇により公式に列聖された最初の人。ドイツ南部のアウクスブルクの司教,熱心な牧者としてその職責をまっとうした。 955年ハンガリー人によって町が攻撃されたときはみずから人々を励まし町を死守した。祝日は7月4日。
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