千載佳句(読み)せんざいかく

精選版 日本国語大辞典 「千載佳句」の意味・読み・例文・類語

せんざいかく【千載佳句】

  1. 平安中期の中国漢詩名句集。二巻。大江維時編。中国人と新羅(しらぎ)人の詩から名句を二句(一聯)ずつ抜き出して一五部門に分類、排列したもの。「和漢朗詠集」などの先駆をなし後世に大きな影響を与えた。

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百科事典マイペディア 「千載佳句」の意味・わかりやすい解説

千載佳句【せんざいかく】

平安中期の漢詩秀句集。大江維時撰。963年以前の成立。上下2巻。上巻を四時・時節・天象・地理・人事,下巻を宮省・居処・草木禽獣・宴喜・遊放・別離・隠逸・釈氏仙道の計15部に分かち,各部を細別して,唐人を中心に新羅人,高麗人の漢詩から七言二句の秀句を選んで挙げる。上巻には547首,下巻には536首を収載白居易元【しん】(げんしん)の作が約半数を占め,当時の嗜好をしのばせる。後続の《和漢朗詠集》《新撰朗詠集》の成立に多大の影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内の千載佳句の言及

【和漢朗詠集】より

…平安前期から,文人貴族は《白氏文集》など中国の漢詩文を規範として模倣し,とくに華麗な対句や四六駢儷(べんれい)文の秀句は,もとの作品から切り離して作文の手本にされたり朗詠されたりした。そうした秀句の摘句選集は,中国に先蹤があるが,日本でも大江維時撰《千載佳句》などが編まれている。本書もそうした選集の一つで,白楽天を尊重し多くの詩句を採るが,ほかに菅原道真,菅原文時など日本人の漢文学作品からも摘句し,さらに《拾遺和歌集》をはじめ,三代集その他から選んだ和歌を並列させている点が特徴的である。…

※「千載佳句」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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