実否(読み)ジッピ

デジタル大辞泉 「実否」の意味・読み・例文・類語

じっ‐ぴ【実否】

事実であるか事実でないか。本当かうそか。じっぷ。
「姉は均平に―をただそうともしず」〈秋声縮図
[類語]真偽虚実真否真贋正誤あることないこと

じっ‐ぷ【実否】

じっぴ(実否)

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精選版 日本国語大辞典 「実否」の意味・読み・例文・類語

じっ‐ぷ【実否】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふ」は「否」の呉音 )
  2. 真実であることと虚偽であること。真実か虚偽か。まことかうそか。じっぴ。
    1. [初出の実例]「機急在るに依り、実否を見むが為、只百余騎を率い」(出典:将門記(940頃か))
    2. 「カタナノ jippu(ジップ)ニ ヨッテ トガノ ゴサタヲモ ナサリョウズル」(出典:天草本平家(1592)一)
  3. 勝つか負けるか。また、その決着をつけること。
    1. [初出の実例]「手ごとにて鑓を合、勝負をして実否(ジッフ)をつけたるを、本の合戦と申也」(出典:甲陽軍鑑(17C初)品五〇)

実否の語誌

中世には「じっぷ」と読まれ、他の時代にもそう読まれた可能性が強いが、「否」が半濁音で読まれたことについては、上字「実」の「つ」が促音化するほど、語構成の上で緊密であったかどうか疑わしいので、「じつふ」の読みの可能性も否定しきれないとの見解がある。なお、近代では「じっぴ」と読まれることが多い。


じっ‐ぴ【実否】

  1. 〘 名詞 〙 真実であることとそうでないこと。また、まことかうそかということ。じっぷ。
    1. [初出の実例]「実否(ジッピ)くはしく聞きたしと思へど」(出典:別れ霜(1892)〈樋口一葉〉五)

実否の語誌

→「じっぷ(実否)」の語誌

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