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虚実 きょじつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

虚実
きょじつ

文学論の用語。時代により人により,真実 (事実) と虚構,真実と偽,実体と表現,写実と虚構など,さまざまな意味に用いられる。もと中国の詩文書画論などに用いられた語で,日本では歌論,俳論,浄瑠璃論,物語小説論などに広く用いられた。談林俳諧では実よりも虚を重んじ,芭蕉は虚実を止揚し一元化した境地を重んじ,各務支考 (かがみしこう) は最も組織的に虚実論を説いている。近松門左衛門虚実皮膜論は有名。藤原定家の歌論や世阿弥の能楽論に説く「花実」の語も「虚実」と似た概念をもつ。

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デジタル大辞泉の解説

きょ‐じつ【虚実】

実質・実体のあることとないこと。
うそとまこと。虚構と事実。「虚実とりまぜて語る」
虚虚実実」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

きょじつ【虚実】

〈虚〉を実体のないもの,うそ,偽り,〈実〉を実体のあるもの,まこととみる一般的な考え方と,〈虚〉は超越的な存在根拠であり,〈実〉はその具体的な現れであるという《荘子》風の考え方とがある。中国では古く《荘子》関係の思想書にこの言葉が見られ,以後詩文,書画,医学,兵学等の分野でもしばしば用いられた。 日本では主として近世俳諧や演劇の方面で用いられ,その芸術観,文学本質論,表現論等を記述する場合の重要概念となっている。

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大辞林 第三版の解説

きょじつ【虚実】

虚と実。うそとまこと。 「 -とりまぜて話す」
実体のあることとないこと。
〔「虚虚実実」の略〕 いろいろな手段。手管てくだ。 「 -を尽くして争う」

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