寒晒し(読み)カンザラシ

デジタル大辞泉 「寒晒し」の意味・読み・例文・類語

かん‐ざらし【寒×晒し】

寒中穀類や布などを水や空気にさらしておくこと。 冬》
寒晒かんざらし粉」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寒晒し」の意味・わかりやすい解説

寒晒し
かんざらし

寒(かん)のうちに新たに汲(く)み取った井戸水(寒水)に、米などの穀類やジャガイモショウガなどを浸(つ)けて置き、のち陰干しにすること。とくに、米を石臼(いしうす)で挽(ひ)いて粉にし、寒水に浸けて洗い、毎日水を取り替えて1週間ほど晒し、陰干しにして寒気に晒すことをいう。これが白玉粉(しらたまこ)の寒晒粉で、脂肪分が減って粒子が細かいのが特徴である。このほか、豆腐、餅(もち)などを寒晒しにして凍り豆腐、凍り餅をつくり、また寒中に搗(つ)いた寒餅は長く貯蔵ができ、寒中に搗いた米には穀象(こくぞう)(コクゾウムシ)がわかないといって寒搗きが行われたが、今日この習慣はほとんどとだえた。

[宇田敏彦]

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