徒長枝(読み)とちょうし(英語表記)water sprout

精選版 日本国語大辞典 「徒長枝」の意味・読み・例文・類語

とちょう‐しトチャウ‥【徒長枝】

  1. 〘 名詞 〙 徒長状態にある枝。特に長く伸長した枝。花芽をつけず、樹形を乱すために切り去ることが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「徒長枝」の意味・わかりやすい解説

徒長枝 (とちょうし)
water sprout

果樹花木では,その年伸長した枝に花芽が着生するが,強い剪定せんてい)を行った場合などには,太枝の切口付近から,太く,直立し,節間が長く,遅くまで伸長を続ける枝が発生する。このような枝は徒長枝と呼ばれ,花芽を着けず,樹形を乱すために嫌われ,剪定の際に切り落とすのが普通である。花芽の着生は枝の炭水化物含量と関連があり,枝の生長が盛んで,葉で合成された炭水化物の多くがそれに消費され,枝に蓄積する炭水化物が少なくなると,花芽は着生しない。したがって,果樹や花木の栽培では枝葉の生長(栄養生長)と花芽の形成生殖生長)とをバランスよく行わせることが重要であるが,強い剪定を行ったり,雨が多かったりすると,このバランスがくずれ,栄養生長が盛んになり,徒長枝も多発する。
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盆栽用語集 「徒長枝」の解説

徒長枝

伸びたままの、勢いの強い枝のこと。徒長枝をそのままにしておくと、樹の養分がそこへ流れすぎるため他の枝の生長が遅くなる。養成中の樹や、枝・幹に太みを得たい場合は犠牲枝としてこれを放置することもある。いずれにしても組織成熟を伴わないまま太っていくので、花芽などは結実しにくい。

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