樹形(読み)ジュケイ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

根、幹、枝、葉などの総合からつくりだされる樹木の全体的な外形、外観をいう。樹木を見慣れると、遠くからでも、樹冠の形や枝の派生状態などから、樹種を判別できるようになる。一般に、樹木はその高さ(樹高)により、高木、亜高木、低木に区分され、種類ごとに固有の樹形を呈する。樹形は遺伝により変わらないのが原則であるが、実際には同じ種類であっても、環境条件の違いによって、大きな変化を示す。単独で生育している木(独立木)と林の中の木は異なる樹形を呈する。また、高山や海岸など風の強い地域に生育している木は著しく変形した樹形(風衝(ふうしょう)形)を呈する。多雪地帯では根曲がりなどの現象もみられる。すなわち、樹形変化のおもな環境因子としては、日照や水分条件、風や雪などがあげられる。また樹齢によっても樹形に変化がみられ、幼木形、成木形、老木形と区分される。人手が加わることによっても変化を受け、一般に天然形(自然樹形)と人為形(人工樹形)に区分される。天然形は、幹や枝が四方へ均一に出る整形と不均整な不整形とに大別される。さらに、整形は柱状形、円錐(えんすい)形、尖頭(せんとう)形、円蓋(えんがい)形、卵形、杯(さかずき)形、房頭(ぼうとう)形などに分けられ、不整形は普通は不整形、枝垂(しだれ)形、伏生(ふくせい)形、つる状形などに分けられる。一方、人為形には、整姿、剪定(せんてい)が行われる街路樹や庭園の木、枝打ちなどが行われる植林地の木などがある。

 なお、常緑樹に対し、落葉樹は季節による樹形の変化が著しい。

[埴生雅章]


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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 根・幹・枝・葉などから形成される樹木の外形。天然形と人為形とがある。天然形は、柱状形(ポプラ・スギ)、円錐形(モミ・サワラ)、尖塔形(ヒマラヤスギ・カヤ)、円蓋形(クスノキ・シイ)、杯形(ケヤキ・サルスベリ)などの整形と、カエデ・ウメなどの不整形とに大別される。
※旅‐昭和一八年(1943)終刊号・椰子の用途はかくも広い〈上原敬二〉「単幹又は分岐性の樹形(ジュケイ)で樹高七〇尺位に伸び」

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