監寺（読み）カンス

デジタル大辞泉

かん‐す【監^▽寺】

禅宗寺院で、住持に代わって寺内の事務を監督する役職。六知事の一。曹洞宗では、監院という。かんじ。

かん‐じ【監寺】

⇒かんす（監寺）

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かん‐す【監寺】

〘名〙 (「かんず」とも。「す」は「寺」の唐音) 禅宗で、一寺を監督して衆僧を統率する役名。六知事の一つで都寺(つうす)に次ぐ一山の重役。監院。かんじ。

※参天台五台山記（1072‐73）一「於_二智者泉亭_一対_二面寿昌寺監寺等賜紫三人_一以_二通事_一数剋慇懃」

かん‐じ【監寺】

〘名〙 ＝かんす（監寺）

※通俗酔菩提全伝（1759）一「則監寺(カンジ)（〈注〉ヤクシャ）に命じて道を送て雲堂に入て坐禅せさしめらる」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【監寺】かんじ

執事僧。

字通「監」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の監寺の言及

【荘主】より

…すなわち禅院内を教学方面の西班と経済関係の東班に分かち，寺院の経理や荘園経営は東班の禅僧に行わせた。東班の最高位を都聞（つうぶん）または都官と呼び，その下に都寺（つうす），監寺（かんす），副寺（ふうす），維那（いのう），典座（てんぞ），直歳（しつすい）の六知事を置いて，これらの禅僧を東班衆と総称した。中国では副寺の下に現地の経営者である荘主がおり，荘主もまた都荘と副荘に分かれ，その下に諸荘監収がおり，甲幹荘甲(日本の名主に相当)を支配し，最下層に耕作民たる佃戸（でんこ）が位置した。…

※「監寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」