福笑い(読み)フクワライ

デジタル大辞泉 「福笑い」の意味・読み・例文・類語

ふく‐わらい〔‐わらひ〕【福笑い】

正月の遊びの一。目隠しをして、輪郭だけが描かれたお多福おかめの絵の上に、別に厚紙で作った目・鼻・唇などを並べ、出来上がりのおかしさを楽しむもの。 新年》「目隠しが透いて見えたる―/梓月

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改訂新版 世界大百科事典 「福笑い」の意味・わかりやすい解説

福笑い (ふくわらい)

目隠しをしてお亀の顔絵を完成させる,正月の遊びの一つ。顔の輪郭だけを描いた台紙と,眉,目,鼻,口に切り抜いた紙を用い,ひとつずつ置いていくが,本来位置に並ばず鼻や口が曲がったりするこっけいさを楽しむ。お亀のほか,えびす,大黒の顔や,世相を反映する人物の顔も登場した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「福笑い」の意味・わかりやすい解説

福笑い
ふくわらい

紙製玩具(がんぐ)の一種。お福面(おかめ)の顔の輪郭だけを描いた紙と、別に眉(まゆ)、目、鼻、口などを切り抜いた紙片とが組合せになっている。遊び方は、手拭(てぬぐい)などで目隠しした者が、この目、鼻などをお福面の紙の上に並べていくが、できあがりが笑いたくなる滑稽(こっけい)な顔だちになる点におもしろさがある。江戸中期ごろから流行し始めたものらしく、明治以降も第二次世界大戦前までは正月の室内遊びとして盛んに行われた。

[斎藤良輔]


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日本文化いろは事典 「福笑い」の解説

福笑い

福笑いは、「おかめ」「おたふく」と呼ばれるお福面の、顔の輪郭だけを描いた紙の上に、目隠しをされた者が切り抜いた眉、目、鼻、口などを正しい位置(と 自分が思う場所)に並べていく遊びです。目隠しをされている為、自分の勘だけで顔のパーツを置いていくので、最終的に位置のずれた可笑しい目鼻立ちになり ます。その結果出来上がった滑稽〔こっけい〕な表情を見て笑い、楽しみます。

出典 シナジーマーティング(株)日本文化いろは事典について 情報

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