お亀(読み)オカメ

デジタル大辞泉 「お亀」の意味・読み・例文・類語

お‐かめ【お亀/×阿亀】

阿多福おたふく」に同じ。
阿亀蕎麦おかめそば」「阿亀饂飩おかめうどん」の略。

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改訂新版 世界大百科事典 「お亀」の意味・わかりやすい解説

お亀 (おかめ)

円顔で鼻の低い,おでこでほお高の愛敬ある女の仮面。お多福ともいう。同系統の面としては狂言面乙御前(おとごぜ)があり,男に逃げられる醜女や姫鬼,福女などに用いられる。お多福のオタが乙の転訛ともいわれるように,お多福,お亀も同様の役柄の近世芸能に使用される。特にお亀の名称は江戸の里神楽で使われ,ひょっとこと対で道化やもどき役をつとめて人気が高く,熟練者の役どころとされる。民俗芸能では単に醜女としてではなく,田遊のはらみ女,愛知県三河地方の花祭では巫女みこ)のお供としても現われ,獅子舞や祭礼行列の道化では愛敬が強調され,酉の市の大熊手などに飾られて,福を呼ぶ面相として喜ばれる。関西では同系の面相をお福と呼び,蔑称にも用いるが,商家などでは福相として人形を飾る場合もある。東北地方では下級巫女をオカミと称し,〈おかめ〉もその一種と考えられることもある。また伊勢・尾張地方では宿場女郎飯盛女を〈おかめ〉と称した。
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百科事典マイペディア 「お亀」の意味・わかりやすい解説

お亀【おかめ】

低い鼻,豊かな頬(ほお)の女の面。一名お多福。天鈿女(あめのうずめ)命に由来するともいわれ,文楽人形ではお福,狂言面では乙御前(おとごぜ),乙といった。里神楽(さとかぐら)ではひょっとこと一対の道化。神楽面としては福神系。のちこの面に似た醜女を一般にお亀,お多福と呼んだ。

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