鈍根草(読み)ドンコンソウ

精選版 日本国語大辞典 「鈍根草」の意味・読み・例文・類語

どんこん‐そう‥サウ【鈍根草】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「どんごんそう」とも ) 植物みょうが(茗荷)」の異名。〔運歩色葉(1548)〕
    1. [初出の実例]「それはどんごんさうといふて、みゃうがをくへば、どんになるによってくはぬ物じゃに」(出典:虎明本狂言・鈍根草(室町末‐近世初))
  2. [ 2 ] 狂言和泉流主人と太郎冠者が鞍馬(くらま)参りをするが、主人は宿坊で出された茗荷は鈍根草といって食べると馬鹿になると口にせず、鈍根草の由来を語る。その主人が、帰途小刀(ちいさがたな)を忘れ、それを拾っておいた太郎冠者に皮肉を言われる。江戸初期、大蔵流でも行なわれた。

どごん‐そう‥サウ【鈍根草】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「どごん」は「愚鈍」の意 ) 植物「みょうが(茗荷)」の異名。
    1. [初出の実例]「むかししゃか如来の御弟子に、周梨槃特と云愚鈍第一の人有〈略〉此人死してのち、其塚よりはじめて生出たる草なれば、どごん草とこれをいふ、文字にも名荷とは、名を荷とかくも此ゆへ也」(出典:仮名草子・為愚痴物語(1662)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の鈍根草の言及

【ミョウガ(茗荷)】より

…以上のようなもののほか,江戸時代の料理書には丸のまま熱湯をくぐらせたミョウガを串(くし)にさして,トウガラシみそをつけて焼く〈みょうが田楽〉,縦に刻み調味して煮たミョウガを,固くしぼってノリ巻にした〈みょうが浅草けんちん〉などというものが見られる。ミョウガはさわやかな辛みと香気をもつ日本的な食品として愛好されるが,食べると物忘れするというので鈍根草(どんごんそう)の異名があり,空腹のあまり,かたわらの料理のミョウガをつまみ食いした稚児を見て,そばにいた人が修業中の若い人は物忘れをしないために食わないものだというと,稚児は空腹を忘れるためにもっと食おうといった(《軽口露がはなし》)というような笑話がいくつも伝えられている。【鈴木 晋一】。…

※「鈍根草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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