朝日日本歴史人物事典 「鳩野宗巴」の解説
鳩野宗巴
生年:寛永18(1641)
江戸前期の外科医。本姓は中島,家号は松水軒。先祖は代々岩国藩(岩国市)藩士だったが,父長三郎の代に致仕して長崎に出た。宗巴は蘭医アルマンスについて外科を学んで医を業とした。天和1(1681)年肥後(熊本)藩主細川綱利に招かれ愛鳩の足傷を治療し「鳩の宗巴」といわれたのにちなみ,大坂に移住したとき鳩野に改姓したという。渡欧説が伝えられているが,否定的意見が強い。2代目から正式に肥後藩の藩医となり,以後代々宗巴と称した。<参考文献>古賀十二郎『西洋医術伝来史』
(宗田一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報