コリャード(読み)Collado,Diego

デジタル大辞泉 「コリャード」の意味・読み・例文・類語

コリャード(Diego Collado)

[?~1638]スペイン宣教師。1619年(元和5)来日長崎付近で布教ドミニコ会初代管区長となった。1622年ローマに帰り「日本文典」「日本語辞典」を出版。のち、マニラに戻り日本再入国を期したが、難船して没した。

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精選版 日本国語大辞典 「コリャード」の意味・読み・例文・類語

コリャード

  1. ( Diego Collado ディエゴ━ ) スペインのドミニコ会宣教師。元和五年(一六一九)来日し、迫害下に布教、日本代理管区長となる。同八年、日本二六聖人の列福調査判事としてローマにおもむき、のち同地で「日本文典」「羅西日辞書」「懺悔録」を出版した。マニラに帰来し、再入国を期したが、帰欧の途次遭難して死亡。(一五八九頃‐一六四一

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朝日日本歴史人物事典 「コリャード」の解説

コリャード

没年:1641(1641)
生年:1589頃
江戸初期に来日したスペイン系ドミニコ会宣教師。迫害下での布教活動もさることながら,ローマ布教聖省刊の日本語3部作『日本文典』『懺悔録』『羅西日辞書』の作者として,日本語学史の方面で著名である。ただ,文典,辞書ともにイエズス会のものには学問的価値において劣る。スペインのカセレス県ミアハダス生まれ。1605年サラマンカのサン・エステバン修道院で誓願を立て,1611年にアロンソ・デ・ナバレテ率いる宣教師団の一員としてマニラに渡り,ミンダナオ島で布教に従事。禁教下の元和5(1619)年長崎に上陸する。長崎,有馬,大村で布教にあたるかたわら,I.オルファネルの『日本キリシタン教会史』の完成に協力,後年,この『補遺』を執筆した。一方,日本布教権をめぐりポルトガル系のイエズス会と,のちに来たスペイン系のアウグスチノ会,フランシスコ会,ドミニコ会との間にあつれきが生じ,その抗争はローマにまで持ち込まれた。コリャードは,同8年に日本を離れ,ローマに帰りイエズス会の布教方針などを非難する文書を作製,それが布教聖省に認められ,上記3書が公式に刊行物として印刷された。その後,どの管区にも属さない宣教師団を率いて,1635年マニラに到着。活動を開始したが,やがて排斥され,スペイン国王により帰国を余儀なくされ,その途についたが,マニラ出帆数時間後に難船のため生涯を閉じた。<著作>大塚高信訳『コリャード日本文典』,大塚光信翻字『コリャード懺悔録』,同編『コリャード羅西日辞典』,井手勝美訳『コリャド日本キリシタン史補遺』

(大塚光信)

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改訂新版 世界大百科事典 「コリャード」の意味・わかりやすい解説

コリャード
Diego de Collado
生没年:1589ころ-1641

スペイン人のドミニコ会士。メアハダスの出身。1604年ドミニコ会に入会。11年マニラに到着後,カガヤン地方で布教した。19年(元和5)7月来日し,禁令下の長崎・有馬地方に潜伏し,各地のキリシタンを励まし,獄中のキリシタンを訪問したり,オランダ平戸商館に監禁中の同僚ルイス・フロレスの救出活動に参加した。22年9月,教皇庁の特派使節として,二十六聖人の殉教に関する教会法上の調査を行い,元和大殉教を目撃し,11月日本を去り,マニラ経由でローマへ行った。ローマでは在日イエズス会批判のキャンペーンを展開するかたわら,32年,《日本語文典》《羅西日辞典》《懺悔録》を出版した。35年フィリピンに戻り,日本を含む中国および東アジア地域における布教を目的としてサン・パブロ修道会の創設をはかったが失敗し,41年8月スペインへ送還される途中難破して没した。著作《日本キリシタン教会史補遺》(1633)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コリャード」の意味・わかりやすい解説

コリャード
Collado, Diego de

[生]? メアサダス
[没]1638. インド洋上
スペインの宣教師,ドミニコ会に属する。元和5 (1619) 年日本に来て伝道。代理管区長となる。 1621年長崎の 26殉教者の列福調査判事に任命され,23年ローマに着いて殉教調査書をローマ聖庁に提出,24年イエズス会を非難した「ソテロ陳状」を発表した。ここで『日本文典』『日本語辞典』をラテン文で刊行し,日本事情を西洋に伝えた。ただし著作については自作ではないとの説もある。 35年再び東洋伝道の旅に出たが,38年マニラへの航行途中,海難にあい死んだ。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「コリャード」の解説

コリャード Collado, Diego

?-1641 スペインの宣教師。
ドミニコ会から派遣され,元和(げんな)5年(1619)禁教下の日本に来航し,長崎などで布教。数年後に離日し,ローマで日本におけるイエズス会の布教活動を非難する。のち「日本文典」「羅西日辞書」「懺悔(ざんげ)録」を編集した。1641年8月インド洋上で遭難死。メアハダス出身。

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