リペール(英語表記)Ripert, Georges

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リペール」の意味・わかりやすい解説

リペール
Ripert, Georges

[生]1880.4.22. ラシオタ
[没]1958.7.4. パリ
フランスの法学者。 1906~18年母校エクスアン=プロバンス大学教授,その後パリ大学に転じ,20~49年 M.プラニオールの跡を継いで民法講座を,次いで商法講座をも担当。その後,フランス学士院会長,フランス海法会名誉会長などに推された。リペールの名が広く知られるようになったのは『海法綱要』 Traité de droit maritime (2巻,1913) ,『商法綱要』 Traité de droit commercial (48) によるが,そのほか『民事債務における道徳律』 La règle morale dans les obligations civiles (25) ,『民主制と近代民法』 Le régime démocratique et le droit civil moderne (35) ,『近代資本主義の法的側面』 Les aspects juridiques du capitalisme moderne (35) ,『法の衰退』 Le déclin du droit (49) ,『法を創造する諸力』 Les forces créatrices du droit (55) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リペール」の意味・わかりやすい解説

リペール
りぺーる
Georges Ripert
(1880―1958)

フランスの法学者。マルセイユ近傍のラ・シオタに生まれる。エクス・アン・プロバンス大学およびパリ大学において民法、商法の講座を担当した。第二次世界大戦中、ビシー政権の下において文相を務めた。全14巻の『民法体系』Traité pratique de droit civil français(1925~1934)をプラニオルMarcel Planiol(1853―1931)教授とともに監修する。著書として『民法概論』(1951)、『海法』(1919)、『商法原論』(1957)のほか、『法の衰頽(すいたい)』(1949)、『民事上の義務における道徳律』(1948)、『民主制と近代民法』(1950)、『近代資本主義の法的側面』(1951)など、法と社会の関係また法思想に関する著書がある。

[野村敬造]

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改訂新版 世界大百科事典 「リペール」の意味・わかりやすい解説

リペール
Georges Ripert
生没年:1880-1958

フランスの法学者。母校エクサン・プロバンス大学を経てパリ大学教授(1918-49)。その間,学士院会員(1937)となり,またビシー政府文部大臣(1940)を務めた。民商法の大家であり(プラニオルM.Planiolとの共編著による民法教科書・体系書が重要),海法の権威でもある。実定法以外の法を認めない実証法家を自認していたが,鋭い現実主義から民法に対する道徳,政治,経済の影響を論じた三部作,《民事債権債務関係における道徳原則》(1925),《民主制と現代民法》(1935),《現代資本主義の法的諸局面》(1947)のほか,《法の斜陽》(1949),《法を創造する諸力》(1955)があり,それらは,いずれも法社会学的・法哲学的な深い洞察に富んでいる。
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百科事典マイペディア 「リペール」の意味・わかりやすい解説

リペール

フランスの民法・商法学者。パリ大学教授。フランス海法に関する《海商法原論》は古典的名著とされ,法実証主義に立つ《民法教科書》《商法教科書》も有名民主主義や近代資本主義と民法との関係についての法社会学・法哲学的な研究もある。

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367日誕生日大事典 「リペール」の解説

リペール

生年月日:1880年4月22日
フランスの法学者
1958年没

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