リン化ガリウム(読み)リンカガリウム

化学辞典 第2版 「リン化ガリウム」の解説

リン化ガリウム
リンカガリウム
gallium phosphide

GaP(100.70).ガリウムリンともいう.Gaとリンとを,真空中または不活性気体中で100 ℃ 以上に加熱するか,Ga2O3にH2とリンの混合蒸気を高温で反応させるか,GaPO4を約900 ℃ で H2COで還元すると得られる.純粋なこはく色の立方晶系結晶.Gaが共存する普通のものは黄緑黄褐色せん亜鉛鉱型構造.密度4.13 g cm-3.融点1465 ℃.比誘電率8.4.Ⅲ-Ⅴ半導体で,間接遷移型.バンドギャップ2.25 eV(300 K).水に不溶,室温で無機酸やアルカリ水溶液に徐々に溶ける.空気中でNaOH水溶液と加熱すると,分解してホスフィンを発生する.半導体材(緑色ダイオードなど)に用いられる.[CAS 12063-98-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リン化ガリウム」の意味・わかりやすい解説

リン化ガリウム
リンかガリウム
gallium phosphide

III族元素のガリウム GaとV族元素のリンPとの化合物で,閃亜鉛鉱型の結晶構造をもつ。化学記号は GaPで,橙色透明な結晶。間接遷移型であるが,不純物の導入により効率のよい赤色 (亜鉛と酸素を導入) と緑色 (窒素を導入) の発光ダイオード用材料として広く用いられている。ガリウム・リンとも呼ばれる。 (→III-V族化合物半導体 )

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