信号発生器(読み)しんごうはっせいき(英語表記)signal generator

改訂新版 世界大百科事典 「信号発生器」の意味・わかりやすい解説

信号発生器 (しんごうはっせいき)
signal generator

電子素子,回路,機器,システムなどの入出力特性を評価するための信号源として用いられるものを信号発生器という。狭義には受信機など高周波機器の周波数特性の測定に用いられる標準信号発生器を指す。広義にはこのほか,一般用発振器,掃引信号発生器,関数発生器,周波数シンセサイザー雑音発生器,パルス発生器などを含む。

 標準信号発生器はコンデンサーと抵抗,インダクタンスとコンデンサー,水晶などの発振回路を基として,信号の増幅変調減衰が可能なものである。周波数範囲は可変で,直読でき,10kHz~20GHzのものがある。出力電圧も可変で,メーターで指示される。また内部および外部からの信号で振幅変調周波数変調などが可能である。出力インピーダンスは通常一定値に押さえられる。

 一般用発振器は原理は同様であるが,変調を行わず,低周波用が多い。掃引信号発生器は,出力周波数を一定速度で掃引するもので,周波数特性を連続的に求めることができる。関数発生器はファンクションジェネレーターfunction generatorとも呼ばれ,正弦波のほか,方形波,台形波パルス波三角波などを出力することができるもので,周波数,時間に対する応答の特性測定に用いられる。周波数シンセサイザーは,高安定の水晶発振器を基準とし,分周,逓倍の電子回路を用い,ディジタル的に設定した周波数を合成するもので,周波数のとくに精密な要求に応用される。雑音発生器は正規分布一様分布,二項分布,ポアソン分布などに従う雑音を発生する信号発生器で,雑音指数の測定に用いられる。ディジタルIC,回路,システムの試験に用いられるものとして,矩形波のパルス発生器,パルス符号発生器がある。
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