インダクタンス(英語表記)inductance

翻訳|inductance

デジタル大辞泉 「インダクタンス」の意味・読み・例文・類語

インダクタンス(inductance)

一つコイルに流れる電流が変化して誘導起電力が現れる場合に、この起電力が電流の変化する速さに比例するときの比例定数電磁誘導の大きさを表し、単位ヘンリー。誘導起電力をもつ回路素子をさすこともある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「インダクタンス」の意味・読み・例文・類語

インダクタンス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] inductance )
  2. 交流回路における電磁誘導の大きさを表わす定数。単位時間に回路を流れる電流の変化量と、それによって誘起された起電力との比例定数として表わされる。MKS単位はヘンリー(H)。自己インダクタンス相互インダクタンスがある。
  3. インダクタンスをもつ回路素子をさしていう。誘導係数。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「インダクタンス」の意味・わかりやすい解説

インダクタンス
inductance

電気回路要素の性質を表す量の一つで,電圧と電流変化率との比。単位はV・s/A(またはWb/A)で,これをヘンリー(記号H)と名付ける。電圧と電流との関係を定める要素には,電気抵抗(電圧と電流との比),インダクタンス(電圧と電流変化率との比),キャパシタンス(電流と電圧変化率との比)の3種がある。それぞれの素子は抵抗器,コイル,コンデンサーである。コイルに電流を流すと,それに比例した磁束が生じ,磁束の変化率に比例した起電力(電圧)が発生するから,結果的に電圧は電流変化率に比例する。正弦波交流電圧を加えると,電流は位相が90度(1/4周期)遅れた正弦波となる。二つのコイルの片方に電流を流してできる磁束と交わるようにもう一つのコイルがあると,一方の電圧が他方の電流変化率にも比例する成分をもち,これを相互インダクタンスmutual inductanceという。変圧器は相互インダクタンス素子の例である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「インダクタンス」の意味・わかりやすい解説

インダクタンス

電気回路において電磁誘導の大きさを表す定数。単位はヘンリー。電流Iが流れる回路を貫く磁束φはIに比例し,φ=LIで表すが,このLを自己インダクタンスという。他の回路(電流I′)との誘導結合による磁束はφ=MI′で表されるが,このMを相互インダクタンスという。
→関連項目過渡現象(電気)共振回路コイル磁気増幅器相互インダクタンス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

一粒万倍日

一粒の種子をまけば万倍になって実るという意味から,種まき,貸付け,仕入れ,投資などを行えば利益が多いとされる日。正月は丑(うし),午(うま)の日,2月は寅(とら),酉(とり)の日というように月によって...

一粒万倍日の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android