化粧まわし(読み)けしょうまわし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「化粧まわし」の意味・わかりやすい解説

化粧まわし
けしょうまわし

相撲関取衆が土俵入り用に使うエプロンのような美しいまわし。後援会などが昇進を祝って贈ることが多い。帯の生地幅は日本婦人の丸帯と同じ 68cmであるが,長さは2倍近い 6m以上もある。これを縦に六つ折りとして腰に三重に巻き,その先端の 1mほどを広いまま前に垂らし,その部分に模様が施してある。帯の生地は,ラシャならわりあい安価であるが,現在はほとんど使用されておらず,博多織ならその倍,京都西陣製のつづれ織りだとそのまた倍はかかる。馬簾は細い金糸,銀糸本数を丹念に数えて,一本を直径 2.5cm,長さ 14cmに,約 100本を手よりして一腰分となる。目方は 10kg前後。横綱のものは三つぞろいで一組であるため最低 300万円前後はかかることになる。

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百科事典マイペディア 「化粧まわし」の意味・わかりやすい解説

化粧まわし【けしょうまわし】

相撲で力士土俵入の際着用する前垂(まえだれ)状のまわし。西陣織博多織が主で,刺繍(ししゅう)などの絵模様を施し,下端には房をつける。元禄のころ紀州藩がかかえの力士に華美なまわしを与えたのが起りとされ,のち取組用の取まわしと区別されるようになった。現在では後援会などが贈る。
→関連項目手数入土俵入り

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