デジタル大辞泉 「刺繍」の意味・読み・例文・類語 し‐しゅう〔‐シウ〕【刺×繍】 [名](スル)種々の糸を用いて、布地の表面に絵や模様を縫い表すこと。縫い取り。「ハンカチにイニシャルを刺繍する」[類語]裁縫・縫い物・針仕事・繕い物・手芸・編み物・仕立て 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「刺繍」の意味・読み・例文・類語 し‐しゅう‥シウ【刺繍】 〘 名詞 〙 布地などに種々の色糸で絵、文字、模様などを縫い表わすこと。ぬいとり。[初出の実例]「常に短衣を刺綉し、これに因て金銭を得て」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一)[その他の文献]〔史記‐潁川伝〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「刺繍」の意味・わかりやすい解説 刺繍【ししゅう】 ぬい,ぬいとりとも。古代世界では特にオリエントで発達し,ビザンティン帝国などに影響,祭儀用の式服や祭壇の垂幕にも施された。15―16世紀ごろには服飾としての刺繍が一般化し,靴,手袋にまで応用された。中国でも〈繍〉は古くから行われ,漢代にはほとんど鎖繍であったが,盛唐以降平繍が盛行し,金糸をまじえた華麗なものが作られた。繍仏の遺品も多い。日本では天寿国繍帳などの遺品があり,奈良時代には中国系の鎖繍が行われたが,次第に平繍が盛行。桃山〜江戸時代には優雅な模様と相まって高い工芸性を発揮した。現在は在来のものを日本刺繍,欧米のものをフランス刺繍と総称している。後者には技法上はアップリケ,ドロン・ワーク,カットワーク,区限刺繍,スモッキングなど,材料上は白糸刺繍,色糸刺繍,リボン刺繍,ビーズ刺繍などがある。→関連項目摺箔 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「刺繍」の意味・わかりやすい解説 刺繍ししゅうembroidery 手芸の一種。広くは糸,紐,リボンなどを,布および皮や編み地などの表面に,針を用いて刺したり留めたりして構成する造形,またはその作品。技法は,アプリケ,ドロンワーク,カットワークのほか,ビーズや真珠,スパングルなどを留めつける方法もある。その起源は古代エジプトに始るといわれ,コプト美術において非常な発達をみせ,今日屍衣の断片として多く残されている。またローマ時代後期から,尼僧たちの手工芸として盛んに行われ,多くは聖書中の物語やキリスト教をテーマにした衣服や祭式用品,各種のおおい物の装飾が刺繍されていた。今日ではチェコ,スロバキア,ハンガリー,ルーマニアなどの東欧諸国やスペイン,イタリア,スイス,デンマーク,アイルランドなどにおいて盛んである。東洋においては,中国周代にその技法があったといわれ,インド,中央アジア,日本などで古くから現在にいたるまで,ヨーロッパ風の刺繍とやや異なった技法の刺繍が発達している。日本では正倉院に唐代の手法を示すものが現存し,中宮寺の『天寿国繍帳』は有名である。日本刺繍,小裂刺 (こぎんざし) ,絽刺などがある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報