吉田三郎兵衛(初代)(読み)よしだ・さぶろべえ

朝日日本歴史人物事典 「吉田三郎兵衛(初代)」の解説

吉田三郎兵衛(初代)

没年:延享4.3.17(1747.4.26)
生年:生年不詳
江戸前中期,人形浄瑠璃の立役人形遣い上方で活躍。初代吉田文三郎の父で,人形遣い吉田流の祖。人形浄瑠璃竹本座創設期から一座の取り締まり役を兼ね,舞台引退後も楽屋の後見役を勤めた。「曾根崎心中」の徳兵衛,「国性爺合戦」の和藤内,「浦島年代記」の浦島など近松作品の主人公を多く遣う。手妻人形の名手山本飛騨掾に片手遣いの技法を学んで三人遣いのもとをなす。孫の2代目文三郎が,一時期2代目三郎兵衛を名乗った。<参考文献>4代目竹田近江『倒冠雑誌』(『日本庶民文化史料集成』7巻),黒木勘蔵『浄瑠璃史』

(平田澄子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉田三郎兵衛(初代)」の解説

吉田三郎兵衛(初代) よしだ-さぶろべえ

?-1747 江戸時代中期の人形浄瑠璃(じょうるり)の人形遣い。
初代吉田文三郎の父。吉田流の祖。創設期から竹本座の人形頭取として活躍し,「曾根崎心中」の徳兵衛,「国性爺(こくせんや)合戦」の和藤内(わとうない)などをあやつる。人形三人遣いの基本となる片手遣いの技法を子の文三郎につたえた。延享4年3月17日死去。大坂出身。別名竹本三郎兵衛

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