大河兼任(読み)おおかわ・かねとう

朝日日本歴史人物事典 「大河兼任」の解説

大河兼任

没年:建久1.3.10(1190.4.16)
生年:生年不詳
平安末期の武将通称次郎名字の大河の地は,秋田郡大河郷説や津軽説または米代川流域説などがある。平泉藤原泰衡の郎従。秋田城在庁でもあったとみられる。文治5(1189)年奥州合戦後,従来の権益を制約され,主人泰衡の敵を討つと称して反旗を翻した。津軽での挙兵,秋田城攻撃,再度の津軽攻撃などで戦果をあげ,平泉から栗原郡(宮城県)まで進軍したが,鎌倉幕府軍に押し戻され,外浜多宇末井梯で大敗を喫し,出羽国山北(秋田県)を経て栗原寺に単騎出現したところを樵夫に斧で殺された。この間わずか3カ月余。奥羽両国衙の有力在庁まで味方に募った行動の早さと反乱の広がりは幕府を驚愕させた。

(遠藤巖)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大河兼任」の解説

大河兼任 おおかわ-かねとう

?-1190 平安後期-鎌倉時代の武将。
陸奥(むつ)平泉(岩手県)の豪族藤原泰衡(やすひら)の家来。泰衡が源頼朝にほろぼされると,仇(かたき)を討つと称して挙兵し,秋田・津軽地方で勢力をふるった。多賀国府へむかうが幕府軍に敗れ,ひとり栗原寺(宮城県栗駒町)ににげたところ,きこりにあやしまれ文治(ぶんじ)6年3月10日殺害された。通称は次郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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