岡村尚謙(読み)おかむら・しょうけん

朝日日本歴史人物事典 「岡村尚謙」の解説

岡村尚謙

没年天保8.1.26(1837.3.2)
生年:生年不詳
江戸後期の医者,本草家。名は遜,号は桂園。下総高岡藩(千葉県)藩主井上正滝に医家として仕える。江戸下谷に住み,文化14(1817)年岩崎灌園に入門して本草学を学ぶ。屋代弘賢の『古今要覧稿』の物産説の編集に灌園と共に協力。また文政11(1828)年『桂園竹譜』を執筆し,竹類40品余について和漢名を考証し諸説を論評した。旧聞にとらわれず新見を求める姿勢を保ち,李時珍の『本草綱目』(1607年渡来)を批判し,古本草を研究して『本草古義』を著した。これは未完のまま病没したが,同書全3冊は子の元喬らの手で完成した。<著作>『秋七草考』『桂園橘譜』『竹譜総論』

(遠藤正治)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡村尚謙」の解説

岡村尚謙 おかむら-しょうけん

?-1837 江戸時代後期の医師,本草家。
下総(しもうさ)高岡藩(千葉県)藩医。岩崎灌園(かんえん)にまなび,古本草を研究し「本草古義」をあらわす。漢方医術の発展と薬草採集にもつとめた。天保(てんぽう)8年1月26日死去。下総香取郡(千葉県)出身。名は遜。号は桂園。著作はほかに「桂園竹譜」「桂園橘譜」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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