川向(読み)かわむかい

精選版 日本国語大辞典 「川向」の意味・読み・例文・類語

かわ‐むかい かはむかひ【川向】

保元(1220頃か)中「源氏か、平家か、名乗れ、聞かむ、〈略〉川向に答へて曰く、下野守殿の郎等
※俳諧・毛吹草(1638)五「五月雨やなれし隣を川むかひ〈正則〉」

かわ‐むこう かはむかふ【川向】

〘名〙 川をへだてたむこう岸対岸。かわむかい。
人情本・春色恵の花(1836)二「おいらがひいきの唄女(げいしゃ)だといやァ、まさか川向(かわムカフ)を通る人をみるやうにゃアしねへぜ」

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日本歴史地名大系 「川向」の解説

川向
かわむこう

[現在地名]宇都宮市駅前通えきまえどおり一―三丁目・南大通みなみおおどおり一―四丁目・東宿郷ひがししゆくごう二丁目・川向町

川東岸にある武家下屋敷および足軽組屋敷で、東と西は宿郷村、北は今泉いまいずみ村、南は簗瀬やなせ村。南部に低く、東部が多少高くなっている。川向侍屋敷とよばれ、町分・村分とは別として扱われた。松平忠弘時代の城下図(東大史料編纂所蔵)では、対岸の押切おしきり町から橋を渡ると町方扱いの八日市場ようかいちばがあり、東の道場宿どうじようしゆく道に続く。その北方に山田久弥下屋敷・黒屋忠左衛門下屋敷などが記される。南方には御掃除坊之町、新海六郎兵衛組などが記され、田川沿いに馬場がある。明治初年宇都宮城大手口より太鼓たいこ門に至る家老級および三の丸・郭内と江戸詰の武家一一二戸が移住した。

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