デジタル大辞泉
「挫」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
くじ・く【挫】
[1] 〘他カ五(四)〙
① 折ったり曲げたりして、
きずをつける。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
※
三国伝記(1407‐46頃か)一「尊熊虵の背を強
(クジキ)蹂躙し玉ひければ」
※
多聞院日記‐天正一二年(1584)六月二九日「今朝西尾の
門前にて右の足蹶
(くしかれ)了」
③ それまで続いていた
いきおいや気分などを弱らせたり押えたりする。そこなわせる。
※
書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓)「天皇、久しく
辺裔(ほとり)に居しまして悉に百性の憂へ苦しぶることを知せり。恒に枉
(ま)け屈
(クシカ)れたるを見ては」
※
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉二〇「而して幸に情を折
(クジ)き理を全ふするを得るなり」
くじ・ける【挫】
〘自カ下一〙 くじ・く 〘自カ下二〙
① 折れたり曲がったりして、きずがつく。
※史記呂后本紀延久五年点(1073)「今に於てまなあたり折(クシケ)匡し争ふは」
② 関節などがねじれて痛くなる。捻挫
(ねんざ)する。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
③
勢いや
気力などが、弱ったり衰えたりする。
気勢がそがれる。
※俳諧・文化句帖‐
補遺(1806‐11)「柱ともたれたる
隣翁の心、たよたよとくじけて」
※滑稽本・七偏人(1857‐63)四「味方の勢ひのくじける様なことを言やアがらア」
④ 取引相場で、値上がりする勢いが衰える。さがり気味になる。〔新聞語辞典(1933)〕
くじき【挫】
① 折ったり曲げたりしてついたきず。関節や骨などをいためた
怪我。捻挫
(ねんざ)。〔書言字考節用集(1717)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報