李方子(読み)イバンジャ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李方子」の意味・わかりやすい解説

李方子
イバンジャ

[生]1901.11.4. 東京
[没]1989.4.30. 大韓民国,ソウル
朝鮮李王朝最後の皇太子妃。梨本宮守正王の長女として生れる。学習院中等部在学中に日本に留学していた朝鮮王朝李垠 (イウン) 皇太子と婚約,1920年に結婚するが,実は日本が朝鮮支配のために画策した政略結婚だった。長男をもうけるが,7ヵ月で突然死亡,毒殺説がささやかれた。第2次世界大戦終了と同時に王族身分を失う。日本に滞在していた夫妻韓国への帰国を希望するが,韓国政府が拒否したため無国籍となり,李王朝時代の財産はすべて没収された。朴政権時代になってようやく韓国籍を得,63年病身の夫とともに帰国した。日本の朝鮮支配の犠牲になった悲劇王妃といわれたが,夫の死後も韓国に残り,障害者施設を設立するなど社会福祉に貢献した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「李方子」の解説

李方子 イ-パンジャ

1901-1989 朝鮮王朝皇太子李垠(イ-ウン)の妃。
明治34年11月4日生まれ。梨本(なしもと)守正・伊都子(いつこ)の娘。1920年(大正9)李垠と結婚し,東京にすむ。第二次大戦後王族の身分をうしない,1963年韓国籍を取得して,夫と韓国へわたる。社団法人慈行会を設立し,心身障害者のための福祉事業をすすめた。平成元年4月30日死去。87歳。女子学習院高等科卒。自伝に「流れのままに」。

李方子 り-まさこ

イ-パンジャ

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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