梅ヶ畑(読み)うめがはた

日本歴史地名大系 「梅ヶ畑」の解説

梅ヶ畑
うめがはた

御室おむろから高雄たかおを経て北山きたやま山中の中川なかがわ(現北区)へ至る一条街道(現周山街道)沿いに点在する村落一帯の総称で、中世には梅ヶ畑庄とか梅ヶ畑郷といわれたというが確証はない。しかし中川・いち中島なかじま善妙寺ぜんみようじ広芝ひろしば平岡ひらおか近世六ヵ村を梅ヶ畑の名でよんだことは確かで、単に「高雄畑村」(長享年後兵乱記)、「山城国畑」(二川分流記)などとも記される。地名由来は「京城勝覧」に「梅多し山中なり」とある。

一条街道の途中善妙寺村の北に御経坂みきようざか峠があり、北部の二村清滝きよたき川に面し、三尾さんびともよばれ、紅葉の名所として知られる。三尾とは高尾たかお(雄)槇尾まきのお栂尾とがのおで、それぞれ神護じんご寺・西明さいみよう寺・高山こうざん寺があり、古く平安時代には密教系の国家鎮護の寺院として、中世初期には真言宗文覚上人・華厳宗中興の明恵上人などによって大伽藍が建立された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「梅ヶ畑」の意味・わかりやすい解説

梅ヶ畑
うめがはた

京都市右京区の一地区。旧村名。 1931年京都市へ編入。御室川上流域と清滝川中流域にまたがり,紅葉の名所である高雄,栂尾 (とがのお) ,槇尾 (まきのお) も含まれる。周山街道 (国道 162号線) が通じる。 65年嵐山高雄パークウェーが開通。林業および林産加工が主産業。かつては梅ヶ畑女が林産加工品を頭に載せて京都市中を売歩いた。

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