湯河原(読み)ユガワラ

デジタル大辞泉 「湯河原」の意味・読み・例文・類語

ゆがわら〔ゆがはら〕【湯河原】

神奈川県南西部、足柄下郡地名温泉町で、泉質単純温泉塩化物泉など。中世土肥氏本拠地城願寺境内の大ビャクシン天然記念物

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精選版 日本国語大辞典 「湯河原」の意味・読み・例文・類語

ゆがわら ゆがはら【湯河原】

神奈川県南西部の地名。静岡県熱海市に隣接し、観光地箱根を控える温泉町。ミカン栽培が行なわれる。湯河原温泉万葉公園などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「湯河原」の意味・わかりやすい解説

湯河原[町] (ゆがわら)

神奈川県南西端,足柄下郡の町。人口2万6848(2010)。静岡県境にあたる千歳川と箱根外輪山から流出する藤木川の合流部に温泉がわき,〈刀比(とい)の湯〉〈土肥(とい)の湯〉〈小梅の湯〉などと呼ばれて,《万葉集》巻十四にも,〈足柄(あしがり)の土肥の河内こうち)にいづる湯〉と詠まれている。中世には相模平氏の分流土肥氏の拠点となり,近世土肥村に属した。湯河原温泉(含セッコウ食塩泉,41~88℃)は明治末年ころから旅館がふえはじめ,日露戦争時に陸軍の療養所ができて著名となった。1887年東海道線が国府津(こうづ)まで通じたが,熱海までは人車鉄道(のちに軽便鉄道となる)によるしかなかった。湯河原が急速な発展をみたのは1934年の丹那トンネルの開通以後である。いま温泉街は古くからの温泉場地区のほか広河原(奥湯河原ともいう)地区と湯河原駅付近に広がる。旅館約100軒,民宿・ペンション40軒を数える。近年有料老人ホーム,リゾートマンションなどの施設が増えている。箱根山へは椿ラインと湯河原パークウェーが通じ,箱根と一帯となった観光地となっている。ミカン狩りなど観光農業が行われる。土肥一族の墓がある城願寺のビャクシン,山神の樹叢は天然記念物。
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