溶存物質量(ガス成分を除く)が温鉱泉1キログラム当り1グラム未満で、泉温が25℃以上の温泉。以前は単純泉とよばれていたが、1978年(昭和53)の鉱泉分析法の改定により単純温泉となった。塩分含有量は一般地下水(100~300ミリグラム)よりも多少多い。日本の温泉の約30%を占め、非火山性の温泉に多い。pH8.5以上のものはアルカリ性単純温泉という。ほかの含有成分、たとえば二酸化炭素、硫黄(いおう)、放射性物質を規定以上含むと療養泉となる。日本の代表的なものは栃木県の塩原温泉、静岡県の伊東温泉、神奈川県の湯本温泉などである。
[綿抜邦彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…温泉を療養に利用する目的で,鉱泉分析法指針は泉質を次のように分類する。(1)溶存物質量が1g/kg以上のものを塩類泉,(2)1g/kg未満であるが泉温が25℃以上のものを単純温泉,(3)表1に掲げる特定物質を限界値以上含む温泉,に大別し,それぞれのグループは溶存成分の大小によって表5のように細別される。 特殊成分を含む塩類泉の分類,副成分による塩類泉などの分類が温泉の化学分析をもとにしてさらに行われ,泉質数は80種にも達する。…
※「単純温泉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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