羅布麻茶(読み)らふまちゃ

食の医学館 「羅布麻茶」の解説

らふまちゃ【羅布麻茶】

羅布麻(らふま)は中国西部に自生するキョウチクトウ科の植物で、その若葉を蒸して乾燥させたものが、お茶の代用として古くから飲まれていました。おもな生育地の名をとって羅布麻茶と名付けられましたが、燕龍(ヤンロン)茶とも呼ばれています。近年になって研究がすすみ、その薬理効果が日本でも注目されはじめています。
○栄養成分としての働き
 羅布麻には毛細血管を強くするルチンや、血圧を下げる塩化カリウム、d―カテキンなどのほか、グルタミン酸、ケルセラチンをはじめとする多くのフラボノイド、多糖体、ミネラルが含まれています。ケルセラチンには血圧を下げる作用もあり、これらの働きで血中のコレステロールを減らし、高血圧を改善します。また免疫力を高め、かぜやぜんそく、気管支炎症状緩和に効果があります。
 羅布麻は抹茶と比べて鉄分は4倍、カルシウムは3倍とミネラルが豊富なうえ、カフェインを含まないので、安眠を妨げません。さらに最近の研究では、酵素の働きを高めて代謝を活発にする作用があることがわかり、ダイエットにも期待が寄せられています。
 羅布麻からは、やわらかくて強い繊維がとれます。これを衣料に使った場合も、血圧を下げ、気管支炎やぜんそくの症状をやわらげる作用が認められています。
○注意すべきこと
 羅布麻茶を飲んで食欲不振や胃痛下痢などになった症例が報告されており、冷え症胃腸の弱い人には適していません。

出典 小学館食の医学館について 情報

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