精選版 日本国語大辞典 「逃・遁」の意味・読み・例文・類語
のが・れる【逃・遁】
〘自ラ下一〙 のが・る 〘自ラ下二〙
① つかまらないように逃げる。
※書紀(720)雄略八年二月(前田本訓)「会明(あけほの)に高麗膳臣等に遁(ノカレ)たりと謂ふ。軍を悉にて来追ふ」
② 離れ遠ざかる。触れないように離れた位置に身を置く。しなくてすむようにする。
③ ある状態にならなくてすむ。まぬがれる。
※書紀(720)顕宗即位前(熱田本訓)「人の弟たることを貴ぶる所は兄に奉(つかへまつ)りて、難(わさわい)を逃(ノカレ)むことを謀り」
④ 言いのがれる。辞退する。
※源氏(1001‐14頃)花宴「切に、せめたまはするに、のかれがたくて、立ちて、のどかに袖かへす所を」
⑤ 関係を断つ。無関係である。
※歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)序幕「して見りゃアこなさんもあんまり又助と遁(ノガ)れた仲ぢゃアねえ」
のがれ【逃・遁】
※宇津保(970‐999頃)楼上上「おはしまさむことのがれあるべきならずのたまはす」
② 見のがすこと。まちがい。
のが・す【逃・遁】
〘他サ五(四)〙
① にがす。にげさせる。失する。逸する。
※平家(13C前)九「敵の方より出きたらん物をのがすべき様なし」
のが・る【逃・遁】
〘自ラ下二〙 ⇒のがれる(逃)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報